18.開発地

◎開発地
京都郊外の自動車工場誘致に伴う宅地造成計画は津川町の一部もその区域に入っている。3年前より工場は本格稼動しており、人口の増加と共に僻地であった個所が急速に街として形成され、その機能が充実してきた。田畑や湿地が広がっていた元の姿は見る影も無く、宅地、道路、福祉施設など建設ラッシュに沸いている。

・総合医療センター
BDDP社出資の複合型医療施設。総合病院の他、リハビリや介護はもとより、カウンセリングを中心としたメンタルケア、様々な医療器具や薬品の管理備蓄、行く行くは救命病棟までも視野に入れた、医療及びそれに付随する行為全般をサポートする施設運営を目的としている。

建設には多くの人員と重機が導入され急ピッチに進められている。各施設はまだ建設途中で立ち入り禁止だが、中心となる医療棟は九割方が完成している。医療棟は開発区を一望できる小高い丘に建ち、建物周辺の敷地は公園として整備されている。新しい街の住民感情を考慮してか公園は一般開放されている。

⇒異変
センター及び付随施設の工事現場で作業員などから入手出来る情報。

①異形の影
夜間、奇妙なものが蠢いているのを見たという話。そいつは長い手足がいくつも絡まったような姿でゴロゴロと転がっていたという。また、蝙蝠の翼状の膜をバタつかせバッタのような脚で跳躍していた、巨大毛虫が自らの尾を咥えぐるぐる回っていた、脚の生えた三又のミミズがのたうっていた等の目撃談がある。そういったことを話す者は決まってどこか陰りがあり疲弊した様子で、仕事仲間からも白い目で見られている。<心理学>や<精神分析>で、何かショッキングな体験をしたことによる放心状態であることに気が付く。

目撃個所は医療棟(センター)に集中し、地下のX線室用に建設中のフロアに携わっている者が主な噂の発信源である。

②失踪
作業現場の人間が忽然と姿を消す。前日まで変わった様子も無く働いていたのに、翌日には居なくなっている。こうした肉体労働の現場では間々あることだが、詰め所に私物を置いたままなど唐突なケースが主である。

失踪は事実でここ三ヶ月で30人以上に上る。その多くはセンターの地下フロアに携わった者達である。現場の責任者は不祥事に繋がることを恐れ情報を隠蔽している。

⇒行政の対応
センター地下フロアは作業が遅れており、建物の完成の足を引っ張っている。そうしたことの要因となっているのが作業員のノイローゼ(異形の目撃談)であるが、事業主の行政や牧立開発の調査では目撃談にあるような「異形」は確認されていない。また、姿を消した者に関しては皆が派遣社員やアルバイトで、事実関係を問い詰めた場合は、単に労働に耐えられず職務を放棄したものと事業主側は回答する。

⇒外国人労働者
失踪者の中に3名の外国人労働者が居る。いずれも東南アジアからの出稼ぎ。現場にはアルコルワークスを通じて外国人の労働者も多く、彼らもアルコルワークスの登録となっている。彼らの履歴書の写真と、ランゲージスクール・スルガの生徒名簿を照合すると、名前は違うが日本語学校に一致した顔の人物が在籍していたことがわかる。
アルコルワークスに登録したのは半年前で就労ビザもアルコルワークスのデータベース上はちゃんとしたものである(実際には彼らの名前や素性は全て偽造であるが、アルコルワークス側は事実を知らない)。

※失踪した外国人労働者はミハエル達一派で、センターの地下フロアとミハエル達のマンションの部屋とを結ぶゲート(門)を作るために潜入していた工作員である。ゲートは開通し、儀式の日を待つ状態にある。

③不審者
センターの一般開放されている公園で不審な集団を目撃したという証言がある。外国人の集団で手を繋いで輪になって瞑想していた。
この集団はミハエルたち外国人支援団体の面々である。
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by nurunuruhotep | 2010-09-10 19:43 | Descent with modific | Comments(0)