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12.降城神社①

◎降城神社
大椀村を一望できる高台にある。神社は天香香背男(あめのかがせお)を祭神とする。天香香背男は日本神話に登場する神で、光り輝く星(主に金星とされる)を司る。このことから降城神社は星宮神社の系列に属すると考えられる(必要なら<オカルト>)。

牧立絵理の実家であり、絵理の両親である老夫婦が二人で暮らしている。「降城慧(ふるぎ・けい)」が年老いた今も宮司を勤める。妻「降城清乃(ふるぎ・きよの)」は著しい痴呆症により3年前から寝たきりである。

・降城慧
降城慧は厳格な人物であり、代々続く宮司家業を粛々とこなしてきた。神職を誇りに、オソレの脅威から村を守ることを使命と考えている。幼い時より巫女として神事全般を教授した一人娘の絵理には、婿を取らせ村の神事を司る使命を後世に残すはずだった。娘を京都の大学に行かせることには反対であったが、宗教は元より広く知識を身につける必要性を妻に説かれ、渋々承諾した。その絵理が逃避行同然に牧立滋の元に嫁いだ時は、家業が途絶えることに大きな喪失感を味わった。村民から激しい非難を浴びせられ、絶望に打ちひしがれた慧は娘の進学を後押しした妻の清乃に当たる様になった。この時のことを慧は清乃が寝たきりになった原因と考え(実際は老人性痴呆症が原因)、強く後悔している。

6年前の絵理の死を境に、自分達と村を捨てた娘を心の中では許している。母親を失った孫の絵留のこともこの時以来ずっと気に掛けていた。しかし、他の住人への建前と重責を担う使命感からそのことは決して口に出さず、過疎が続く現在も淡々と神職を全うしている。

探索者が彼から絵理に関する情報を聞き出そうとしても知らぬ存ぜぬを通すが、孫である絵留の状況を伝え<説得>に成功するなどアプローチ次第では重い口を開く可能性はある。慧は家業に関しては使命として盲目的に従事しており、その誇りある仕事を(クトゥルフ神話的アプローチなどで)疑問視されることには激しく反発する。また、村の成り立ちや神事にクトゥルフ神話的要素が含まれていること等、全く知らない。

以下、降城慧が知る情報。

①絵理
絵理はオソレから免れるハライの神事を行う巫女であった。幼少より巫女として所作を学び、10歳より年2回のハライの舞台に立ち、住民から敬われる存在であった。父である慧には無かったが彼の母親がそうだったように絵理には些細ながら神秘的な力があった。雨が降る気配を感じ取ったり、作物や家畜の異常を誰よりも先に気付いたり、無くした物を見つけ出したり…そういった第六感的な能力に秀でた娘であった。

②舞踏
ハライの神事の所作で、降城家に代々継承される。独特な歩行で、黒い翼で表されるオソレから身を隠す動作を意味する。慧は年齢による足腰の衰えの為、完全には踊れない。現在の行事には簡略化して舞っている。

慧に舞踏を行ってもらった場合、<オカルト>に成功するとこれが一部地域の部族民に伝わる儀式と似ていることに気が付く。特にオーストラリア、南アフリカ、南アメリカなどの局地地域の先住民に共通のステップが見られる。ふまえて、<クトゥルフ神話>でこれが魔術的意味合いを持つ歩行であることを推察する。邪悪な存在から身を守る方法の一つで、旧き印の効果と似ているところがある。慧の踊りは不完全である為、習得は出来ない。また、津川学院で絵留の踊りのVTRを見てる場合、<アイデア>でこの踊りが元であることに気が付く。

③お守りと神体
津川学院寮の牧立絵留の部屋にあった砕けた欠片は元は降城神社の神体を模したものである。神社は天香香背男が宿るとされる球状の石を祭っている。その石を模して小さな球体にした装飾品が代々降城家の神職に受け継がれ、絵理はそれを渡されていた。装飾品には邪悪なものを近付けさせない効果があると伝わる。

神体は祭具殿に保管されている。降城慧は神体を人目に晒すことを極力避けようとする。祭具殿には錠前が掛けられ、その鍵は慧が保管している。

・降城清乃
痴呆症がひどく、3年前より床に伏した状態である。現在は夫の慧に看護されて暮らしている。暴れたりといった挙動は無いが、一日中ぼんやりとしている。話をすることは可能で一見普通に受け答え出来るように思えるが、会話内容に整合性は全く無い。
ただ、絵理に関する質問をした時、ぽつりと「舞台で踊っている」といったことを言う。絵理について発するのはこれだけで、それ以上聞いても関係ないことを口にするのみである。
by nurunuruhotep | 2010-09-10 17:35 | Descent with modific | Comments(0)