02.事故

◎事故の詳細
警察の調査による5月3日の事故の詳細。

5月3日午後4時8分、見晴らしの良い4斜線道路で発生。評定速度は50キロ。郊外だが付近は住宅地やスーパー、飲食店、大型日常用品店、1キロ圏内にショッピングモールがある。津川学院のキャンパスにもほど近い。

事故は被害女性が車道に急に飛び出しことにより運転手がハンドル操作を誤り衝突、その後車体を制御出来ず左前輪側面が中央分離帯の縁石にぶつかり道路上で横転した。目撃証言では車は概ね評定速度を守っており、被害女性が歩道から車の前に突然飛び出したとのこと。目撃者は多数おり、証言はすべて一致している。事故後の検分でも路上のタイヤ痕等から車が過度のスピードや危険運転を行っていたとは認められなかった。

衝突された外国人女性と助手席に乗っていた牧立滋は病院に運ばれて間も無く死亡が確認された。運転手の四十万公康、後部座席に乗っていた牧立絵留は運ばれた津川学院付属病院で現在も入院中。四十万公康は話せるまでに回復したものの、牧立絵留は意識不明のままである。

・事故までの状況
牧立滋は寮に暮らす娘、絵留を迎えに自宅のある京都より津川町に来た。ゴールデンウィークを家族で過ごす目的であった。これは牧立開発の秘書室から証言が取れており、滋は3日午後より5日までをオフに当てている。京都駅より電車に乗り津川町に到着後、事前に予約していた津川ハワードのハイヤーで津川学院へと向かった。ハイヤーの運転手は四十万公康であったが特に指定があったわけではなく、彼が運行したのは待機車両の順番で偶然である。四十万公康と牧立滋に関係性は無い。寮に到着後、絵留を乗せ駅に向けて出発。この時、滋が助手席、絵留が後部座席に分かれて搭乗した。親娘に会話は無くどことなく余所余所しい様子であったが、四十万は詮索しなかった。発進して間も無く、事故が起きた。


◎死亡女性
事故で死亡した外国人女性は身元不明と報じられたが、これは警察側からの報道規制であり実際はおおよそのことが判明している。捜査中の別な案件に関わる為に秘匿されている。警察内部、或いは事件記者の一部がこの情報を掴んでいる。

女は「アウグスティナ・ニー・リーリャン」25歳、中国系マレーシア人。8年前に留学目的で入国、6年前に在学していた日本語学校の経営者が殺された事件を境に行方をくらませている。捜査資料としてデータ化した日本語学校の留学生名簿から、死亡女性が同一であることを割り出した。

事故後、津川町内での捜査により彼女が「アンジェラ」と名前を偽りホテトル嬢として働いていたことまでわかっている。彼女を客に斡旋していた店は何度か摘発歴があるが名前や店長の首を挿げ替え同じことを繰り返していた。シマを取り仕切る地元暴力団「青薙組」、さらにその背後に東南アジアに人身売買のシンジケートを持つ台湾マフィア「七星の番人(アルクトゥルス)」という組織の存在があり、今回の事故は事件の可能性の面からも慎重な捜査がなされている。

なお、6年前の日本語学校経営者殺害事件、青薙組やアルクトゥルスについては別項目も参照。


◎四十万公康
四十万公康は肋骨2本と左腕を折る重傷を負うものの幸い命に別状は無く、事故直後からはっきりと意識を保っており術後直ぐに警察の事情聴取に応じている。被害者の外国人女性の件(暴力団、台湾マフィアとの関連)で、津川学院大学付属病院に入院する彼は現在も警察の監視下にある。彼の病室には常時1名の警察官が見張っており、家族以外の面会を謝絶している。その家族も時間をかなり制限されている。

・狂気
四十万は現在、狂気の状態にある。術後当初の事情聴取(事故翌日4日に行われている)では事故に関して詳細に述べていた(現地調査の結果と照らし合わせても供述に不審な点は無かった)が、2回目(5日)以降、様子がおかしくなった。衝突時に女が笑っていた、女が歌っていた、踊っていた…などといった供述をするようになり、最近(9日)では女は切り裂き魔に襲われて死んだ、と根も葉もないことを口走るようになった。
医者は事故のショックで精神が不安定になっていると診断している。四十万の様子が変化し始めた時期がちょうど被害女性の身元が判明した頃と重なり、聴取中にその話題を持ち出していた(警察は暴力団絡みの別件から情報が欲しかった)ことから、彼の何らかの関与を疑っている。そうしたことも監視が付けられる要因となっている。

四十万の様子がおかしいことは警察関係者や病院スタッフの他、彼の家族からも得ることが出来る。
また、四十万と直接会うことが出来た場合、<心理学>や<精神分析>で彼が狂気に陥っていることがわかる。ベッドの中で身を強張らせ、ぶつぶつと独り言をつぶやいて応答も間々ならない。事故…とりわけ衝突した女について聞くと、「手を折られ、足を折られ、目を刳り貫かれ、腹を切られて、血がいっぱい出て、死んじゃった。ひひひひひ」といった感じで狂ったことを述べる。その他に関しては会話が成立しない。幻覚を見続けている四十万は完全に狂気の中にあり、現時点で<精神分析>によって一時的に回復させることは出来ない。

実際、四十万公康とアウグスティナ・ニー・リーリャンに接点は無く、暴力団や台湾マフィアとの関わりも一切無い。四十万が見ている幻覚は同じ病院に入院している牧立絵留の体内に潜む恐ろしい怪物の力によるものである。

⇒鳶口桐比古
四十万に(後々登場する)「鳶口桐比古(とびぐち・きりひこ)」の写真を見せた場合、酷く取り乱す。「切られる!切られる!」と連呼し暴れた挙句、精神的ショックから意識を失い昏倒する。
四十万と鳶口の関連性を調べても接点は全く無い。
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by nurunuruhotep | 2010-09-10 16:57 | Descent with modific | Comments(0)