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16.九十九森村①

蒐泊地区南西の山岳地帯の麓に位置し、至るには舗装されていない山道を通らなければならない。その山道も10年前の地震の影響から入口に柵が設けられ、進入禁止の標識が置かれている。山道は10年間手入れされておらず、深い森の様相を呈している。時折土砂が落ちる音が聞こえたり、現在も尚危険を漂わせる。山道とはいうものの途中からオフロードとなり、道なき道を進むことになる。

十分な装備を整えた場合は、パーティー全員で<ナビゲート>ロールを行い1人でも成功することで目的地に無事到着することが出来る。下準備も無く突入した場合は全員が<ナビゲート>に成功する必要がある。前者で全員が…或いは後者で一人でもロールに失敗した場合、各人で<幸運>ロールを行い失敗した者は落石や土砂崩れ等に合いダメージを被る。ペナルティは任意に決め、場合によって<回避>や<登攀>等のロールを試みさせても良い。その後、再び<ナビゲート>を行い、結果が失敗なら同様の手順を繰り返す。
車両で山道を通る場合、運転者が<自動車の運転>、運転者或いは指示者が<ナビゲート>のロールを行う。オフロードカーでは無く普通車で進入した場合は、値を半分にするかマイナス修正を加えるなど適当なペナルティを与えること。成功した場合は無事に目的地に到着する。失敗した場合は、ロールを行った者が<幸運>(複数居るならどちらか一方)に失敗すると、落石や土砂崩れ等により車両の横転などで搭乗者はダメージを被る。ペナルティに関しては適宜対処すること。その後、同様の手順を繰り返す。

九十九森村には山道入口から入って何もトラブルが起きなかった場合、徒歩なら約6時間、車で約1時間かかる。
九十九森村は10年前の地震以来、手付かずのまま放置されたままである。家屋の多くは倒壊し、手入れされていない田畑は干上がり荒れている。見渡す景色は所々の崖が崩れ、山肌が露出し、まるで採石場跡地のように荒廃している。

・九十九森家屋敷
村の外れ、岩山の麓に位置していた。土石流に飲み込まれたせいで建物が完全に倒壊し、現在は地面の合間から瓦礫や基礎部分が剥き出してかろうじて間取りがわかる有様である。

→地下室
土木作業用のシャベルやツルハシといった装備で屋敷跡地を掘り返した場合、<幸運>と<目星>ロールに成功することで鉄の落とし扉を発見する。一回のロールにつき1時間掛かり、危険な個所の作業なので、成否に関わらず<DEX×5>を行い失敗すると負傷し1ダメージを被る(2回目以降の作業はロールの倍率を下げたりダメージ量を増やしたりする等ペナルティを加算しても良い)。
扉は鉄製で閂がされている。楔の棒を外すことは簡単だが、扉自体が重くさらにかなり錆びている為、開くには<STR20>との抵抗に成功する必要がある。複数人で開放する場合は代表者の<STR>に2人め以降の<STR>の半分(切捨て)の値を加算し、代表者がロールする。失敗した場合、参加者は<回避>を行い失敗した者は負傷によって1ダメージを被る。

扉の向こうは石の階段があり地下へと続いている。階段を進むと5メートル四方の部屋に辿り着く。石畳の殺風景な部屋で、中性ヨーロッパの地下牢を思わせるような造りである。
部屋には2名の白骨死体がある(正気度ロール。0/1D6)。衣類や頭髪、双方150センチ程度の身長等から両名が一見すると女性であるように思われる。1つは床にうつ伏せに倒れた形で横たわり、一方は壁にもたれて座っている。
うつ伏せに倒れた死体は頭部が陥没しており、<医学>で鈍器等による殴打で致死するほどの外傷であることがわかる。但し、周囲に死体のキズに該当する鈍器は無い。シックな紺のワンピースの所々が破れている。所持品は無い。
壁にもたれた死体には目立った外傷は無い。死体の腰にウェストポーチ、傍らに手帳とボールペン、ペンライトがある。ペンライトは電池が切れている。ウェストポーチにはメイク道具等の小物とケースに入った写真のフィルム、財布がある。財布にはキャッシュカードや病院の診察券、学生証等が収まっている。カード類に記載されている名前は全て同じく「高嶺員子」とあり、学生証も同じ名前でその人物が県立大学の地質学科の大学院生であることが記されている。高嶺員子は蒐泊地震で行方不明になった向日家調査隊の一人である(事前調査で彼女の姿を知っているなら学生証の写真と合致する)。
by nurunuruhotep | 2009-08-22 20:29 | 月狂 | Comments(0)