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仮面で戦え!

…仮面て。

はい、反則クトゥルフです。紛うこと無き出鱈目です。マンガやアニメ的にデフォルメしたものをクトゥルフでやれないかと実験的に作ったものです。結果、神話要素が記号になってしまってます。場面に傾倒して自由度が低い点も反省する必要がありますね…。

実はかなり昔に製作したキャンペーンの1話で、イス人の時間転移装置で現代に飛ばされた探索者が記憶を無くし別人として、でもやはり「探索者」として活動している。死ぬか不定の狂気になると精神が飛び、また別人としてリスタート。現代で経験した記憶は次のキャラにも継承し、「仮面」の街を探索していくうちに自分の正体を知る…といった感じの話でした。仮面が人格に掛かってるんですね。

…。そういうのがやりたい時期だったんですよう。十中八九、ペルソナ罪罰の影響。

なんだか言い訳がましいことを書き連ねましたが、楽しんでいただけるのなら幸いです。
がんばります。
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久保 譲二(くぼ じょうじ)
男性、20歳。寧音馬龍ヘッド。「ヘルハウンド」の主。
STR15 CON16 SIZ15 DEX14 APP 9 INT12 POW13 EDU10 SAN50
耐久力16 db+1D4
技能:言いくるめ80%、回避60%、隠れる60%、機械修理60%、運転(バイク)80%、投擲80%、こぶし70%、キック50%、グラップル50%

寧音馬龍メンバー
久保に従っている暴走族のメンバーは一括してこのデータを用いる。
STR13 CON13 SIZ13 DEX12 APP 8 INT10 POW10 EDU10 SAN50
耐久力13 db+1D4
技能:回避40%、隠れる40%、機械修理40%、運転(バイク)70%、こぶし70%、キック50%
武器:飛び出しナイフ50%1D4+db

柿崎 瞬(かきざき しゅん)
男性、20歳。十字顕、久保譲二の幼馴染。精神を病み入院中。
STR12 CON11 SIZ12 DEX13 APP12 INT14 POW 8 EDU16 SAN10
耐久力12 dbなし
技能:狂気の中にあり技能を行使できる状態では無いので省略。

ジェイソン・リンチー
男性、36歳。大陸系マフィア「金月会」の幹部。街に潜伏する者達を仕切っている。
STR16 CON10 SIZ 9 DEX18 APP11 INT16 POW15 EDU20 SAN75
耐久力10 db+1D4
技能:言いくるめ85%、隠す75%、隠れる90%、聞き耳95%、芸術(古美術鑑定)60%、経理90%、コンピューター50%、乗馬60%、心理学90%、操縦(セスナ)50%、操縦(モーターボート)60%、説得95%、図書館70%、値切り90%、法律60%、目星75%、日本語50%、英語50%、マーシャルアーツ30%、こぶし80%、キック60%
武器:38口径オートマチック70%1D10(2/R)

マフィア
リンチーに従う者達のデータは一括してこのデータを用いる。
STR14 CON14 SIZ14 DEX13 APP10 INT13 POW13 EDU13 SAN65
耐久力14 db+1D4
技能:運転(自動車)80%、回避60%、隠れる60%、聞き耳60%、目星60%、日本語50%、マーシャルアーツ35%、こぶし80%、キック70%
武器:45口径オートマチック60%1D10(1/R)、コンバットナイフ70%1D4+2+db

十字 猛造(じゅうじ たけぞう)
男性、51歳。十字組組長。「三眼牛頭天王」の主。祖先の血が完全に覚醒しており、血肉を食らう怪物と化している。噛み付かれた対象はSTRを1D3失い、猛造はその値分の耐久力を回復する。動く対象には<組みつき>で自由を奪い行われる。
STR15 CON20 SIZ15 DEX16 APP 7 INT14 POW10 EDU18 SAN 0
耐久力18 db+1D4(仮面装着時+1D6)
技能:回避80%、聞き耳95%、クトゥルフ神話7%、芸術(書道)90%、経理75%、跳躍70%、説得80%、値切り90%、法律70%、こぶし70%、キック60%、組みつき75%、拳銃60%
武器:日本刀75%1D8+1+db (仮面装着時は通常とDEX半分時の2回攻撃)

十字組構成員
一括してこのデータを用いる。組長の側近は全ての技能に+10。
STR13 CON13 SIZ13 DEX13 APP10 INT10 POW10 EDU13 SAN50
耐久力13 db+1D4
技能:運転(自動車)50%、回避50%、聞き耳50%、目星50%、キック50%、こぶし60%
武器:32口径オートマチック35%1D8(3/R)、ドス50%1D4+2+db

川渡 慎(かわたび まこと)
男性、32歳。オカルト記者。探索者として邪神教団の足取りを追う最中、十字猛造の下に捕まる。
STR12 CON14 SIZ13 DEX12 APP11 INT14 POW13 EDU16 SAN50
耐久力 2 db+1D4
技能:言いくるめ30%、運転(自動車)45%、オカルト80%、回避45%、隠れる70%、聞き耳50%、クトゥルフ神話10%、写真術55%、信用50%、心理学50%、説得45%、天文学20%、登攀40%、図書館65%、目星60%

十字 顕(じゅうじ あきら)
男性、20歳。猛造の一人息子。銀門鈴子から授かった「バロール」の主。半覚醒状態で、猛造と同じ吸血能力がある。猛造と同様の方法で体力を回復する。
STR 8 CON12 SIZ12 DEX13 APP15 INT14 POW20 EDU12 SAN30
耐久力12 dbなし
技能:オカルト50%、化学20%、芸術(絵画)50%、コンピューター30%、心理学50%、電気修理35%、図書館50%、目星60%、組みつき25%(基本値)
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「仮面」はマジックアイテムである。仮面を被り、自らの力を付与することで仮面の持つ能力を使用することが出来る。付与は最初の一回で、自動的に行われる(猶予を与えても良い)。仮面毎に失う対象の能力値はまちまちである。仮面の能力を使用するには仮面を被っている必要がある。

○夜会の貴婦人
付与:STR-1、正気度-1
能力:<聞き耳>+20%、<隠れる>+20%

○ヘルハウンド
付与:APP-2、INT-2、正気度-1D3
能力:触れた対象に炎によるダメージを与える。<こぶし>がヒットの際、MP5ポイントを消費することでダメージに+1D6を追加する。また、その際にPOW1ポイント消費する毎に追加で1ポイントのダメージを与える。

○三眼牛頭天王
付与:POW-1D10、正気度-1D10
能力:STR+10の筋力増加。近接武器に限りラウンド二回攻撃が可能になる(攻撃タイミングは本来とDEX半分時)。
その他:装着している間、3ラウンド毎に正気度ロール(1/1D6)。

○バロール
付与:STR-1、CON-1、DEX-1、正気度-1D6
能力:‘ヨグ=ソトースのこぶし’、‘忌まわしき狩人の召喚/従属’が発動可能。呪文は習得では無く、仮面を装着している間のみ使用出来る。
その他:付与後、POWに+2される。
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このシナリオの参加者は1D6ポイントの正気度を得る。
忌まわしき狩人を倒すことに成功した場合は1D10、十字顕を殺さずにシナリオを終えられたなら1D4のポイントが正気度に追加される。
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山荘でのイベント以降、彗霊神社に行くと…

神社の前には黒塗りのベンツが止まっている。運転席で黒いスーツの男(十字組構成員)が喉を鋭利に横一線に裂かれ絶命している(SAN 0/1D3)。
神社の長い階段を上り、林近くの池に行くと、月明かりの下、三人の中華服の男達が倒れている。三人共に絶命しており、一人は喉下に噛み千切られたような深い傷、残りの二人はまるでハンマーで叩かれたように胸が陥没している。正気度ロール(0/1D4)。
彗霊石の前に、人が立っている。そいつは、大きな一つ目が描かれた黒い仮面を被っている。仮面は鼻から上を覆っているが、口元は露出している。その口は真っ赤で、鋭い犬歯から血が滴る。この人物は十字顕である。

「僕はここで罪を犯した。永遠を誓った花嫁の血を吸った。そうすることで助けられると思った。でも違った。あの時、本当は声が聞こえたんだ。もっと血を、肉を、…卑しき奴らの声が僕を浸食する。これが罰だというのか!酷いよ、鈴子先生!僕はあなたを愛していたのに…。ああ、渇く。かわ…く…」

そう言って震えながら胸を押さえ、それから突然、雄叫びを上げる。呼応する様に彗霊石が明滅する。池の水が波打ち、そこから一つ羽の大蛇…忌まわしき狩人が出現する(SAN 0/1D10)。狩人は顕を守るように長い体をくねらせ彼の周りを取り囲む。祖先の血に支配された顕は「バロール」の仮面の能力で狩人と共に探索者に襲い掛かる。

顕を止めるには彼を殺すか、彗霊石を破壊するのどちらかしかない。彗霊石の耐久力は30ポイントで、それ以上のダメージを与えると砕ける。いずれかの方法が成功すると、狩人は消える。
彗霊石を破壊した場合、顕は糸の切れた操り人形の様に脱力しその場に倒れる。朦朧とした様子で探索者の呼び掛けにも反応が無い。<精神分析>で精神崩壊の状態であることがわかる。こうなっては専門家の手に委ねるしかない。
また、顕を放置(探索者が敗れる、逃亡する等)した場合、彼は完全に祖先の血に覚醒し、街に食人鬼が放たれることになる。

・嘲笑う女
バロールに触れるとヴィジョンを見る。
白い背景。黒い池と黒い彗霊石。モノトーンの光景。池の畔に女が立っている。眼鏡を掛けた長い髪の美女。白黒の世界にあって彼女の着ている服だけが赤い。女はにたにたと不気味な笑みを浮かべながら、口を動かす。<アイデア>の半分で、「アイシテイルワ」と言ったことに気が付く。景色は次第に赤く染まり、黒み掛かった血の色で満たされ、ヴィジョンは終わる。
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探索の進み具合を見て終盤に十字猛造の居場所の情報を流すこと。ジェイソン・リンチーからの連絡以外でも金月会の息の掛かる風俗店等を伝って、わけありの女が所定の日時に一所に集められるといった情報を出して誘導しても良い(尾行して至る等)。なお、時間は日没以降。

十字猛造は現在、側近達と共に郊外の山荘に居る。山荘にはホシミこと川渡慎も捕らえられている。山荘の正面入口付近には常時二名の手練な十字組構成員が見張っている。

・川渡慎
川渡は見張りが一人付いた部屋に全裸で両手両足を縛られている。体中痣だらけで気絶している。彼は酷い拷問を受けたが最後まで口を割らなかった為、ギリギリのところで生かされている状態。それでもこのまま放置していると一日と持たず死んでしまう。<医学>を20%以上所持している者は一刻も早く彼を病院に運ぶ必要があることに気が付く。
川渡に対し<応急手当>を試み成功すれば、一瞬目を覚まし、「石を…砕け…」と言い残し再び意識を失う。以降、川渡はシナリオ中、意識を取り戻すことは無い。

・人食い鬼
五人のアジア系女性が大広間に集められる。ここには四名の組員と組長の十字猛造が居る。猛造は着物姿で日本刀と額に穴のある水牛の頭骨が掛かった台座を前に座して瞑想をしている。
猛造は着物から刺青のある両肩を出しおもむろに日本刀を手に立ち上がると、刀身を抜き、生贄の女に次から次にと斬り掛かる。悲鳴を上げ逃げ惑う女達を容赦なく殺し、腹から内臓を引きずり出し、刀の先に刺して滴る血を啜る。その後は女の肉に噛み付き食らい出す。正気度ロール(1/1D8)。

食事をしていた猛造が突然、割れんばかりに目を見開き唸り声を上げる。水牛の頭骨を被ると、今度は他の組員に向かって刀を振るう。

「うぉおおおおっ…!あぁきぃらぁああああっ!いまたすけにぃいくぞぉおおおっ!!!」

組員は暴れる猛造を制止しようとするが逆に凶刃の餌食になる。探索者が近くに居るなら猛造はその鋭い嗅覚で感付き襲い掛かってくる。彼を止めるには殺すしかない。猛造の被っている牛骨は仮面で「三眼牛頭天王」

・裏切り
三眼牛頭天王に触れるとヴィジョンを見る。
月明かりに照らされた大きな池。平べったい円形の石がある。池の畔に三名の紫の中華服姿の男達(ジェイソン・リンチーの側近は同様な格好をしている)と青年が居る。青年は十字顕。男達はコンバットナイフを顕に向けている。ここでヴィジョンは終わる。

ジェイソン・リンチーに電話を入れ問い質すと、「何事もホケンかけとくこと、大事ネ」と軽薄に返される。
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近年日本に於いて目立った動きを見せる大陸系のマフィア。ドラッグ、人身売買、強盗、殺し…と金の為には手段を問わないが当局の捜査から巧みに逃れる狡猾な集団。この街では繁華街を中心に暗躍している。
繁華街にある高級中華レストラン「王月(おうが)」を根城にしており、レストランのオーナーである「ジェイソン・リンチー」は街に潜む者達のリーダーである。

ジェイソン・リンチーは白銀の中華服を身に着けた細面白面の小男の中国人。彼と幹部は主に王月の別室(オーナールーム)に居る。
リンチーはいずれは十字組を排除し、この街の裏社会を完全に掌握しようと考えている。探索者が彼に接触した場合、リンチーは協力者を装い探索者を利用しようとする。場合によっては銃火器等の武器を探索者に提供する。リンチーにとって一番の結果は部外者の探索者が邪魔な猛造を始末してくれることである。

「タケゾウ狂っている。アタマおかしいよ。あんなヒトと取引するのワタシ恐いネ。街の平和守るタメ、ワタシと手、結ばないか?…なあに、キミ(達)やる仕事とてもカンタン。タケゾウの悪事暴いて、ケーサツに教えてあげれば良いネ」

ジェイソン・リンチーや金月会幹部は以下の情報を知っている。

・カニバリズム
猛造が金月会からアジア人女性を買い付けていることは事実で、買われた女は死体になって戻ってくる。死体には全身に獣が噛みちぎったような傷痕があり、内臓…とりわけレバーを中心に…が、ごっそり無くなった状態。女性達は金月会が手引きした不法入国者の商売女で、元から足が付き難い半身元不明者である。以前は年に数人程度の提供であったが、この数ヶ月でかなりの人数を渡している。その為、「在庫」が枯渇してきている。
猛造の回復との因果関係はわからないが、リンチーは頭がおかしくなった猛造が女を食していると思っている。

・星の智慧派
猛造が執心だった教団は‘星の智慧派’という名であることをリンチーは猛造本人から聞いて知っている。銀門鈴子がその教団のエージェントであったことも掴んでいる。しかし、元々実態のわからない教団であることと余計な揉め事の火種を作りたくない理由からそれ以上の詳細は把握していない。
<クトゥルフ神話>で、星の智慧派が黒い男(ニャルラトテップ)と関係する邪神崇拝組織であることを知っている。

・捕獲
ある男の捜索を頼まれたことがある。猛造の周囲を嗅ぎまわっていたホシミという男で、目撃情報を集め十字組に伝えた。ホシミは先日、猛造の側近の手によって捕まったらしい。

・居場所
リンチーは猛造の現在の居場所を知らない。それは猛造が隠れ家を頻繁に変える為である。しかし、近々「商品」の納入があり、居場所を掴めるという。
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十字猛造の一人息子。四年前に家庭教師だった銀門鈴子を亡くしたショックから高校を中退。以来、自宅からほとんど出ず塞ぎ込んだ日々を送っている。
顕に会うことは困難で、もし会えたとしても、自分に構わないでくれ、と話をすることを激しく拒絶する。彼から情報を聞き出すことは不可能である。しかし、顕の護衛や使用人などからは彼についての話を聞くチャンスはある。

・銀門鈴子との関係
四年前当時、家庭教師であった銀門鈴子と顕は教師と教え子以上の関係にあった。家の者は組長の情婦がぼっちゃんをも誘惑したと見ている。実際に二人の情事を覗き見た者がおり、それは背徳的で官能な様子であった。鈴子が自分の手首を傷付け、滴る血を顕に舐めさせながら行為に及んでいたという。

・13年前の事故
13年前、彗霊神社で田中礼子が死んだ日、顕は血塗れで帰宅した。田中礼子とは小学校が同じで、久保譲二、柿崎瞬と共によく遊んでいた。顕が田中礼子の死に関係していることを察した猛造は、少女の家族に多額の口止め料を支払った。


○真相
13年前、彗霊神社で結婚式があった。新郎は十字顕。新婦は田中礼子。神父が柿崎瞬で、付添役が久保譲二。他愛無い子供の遊び。夕日で茜色に染まる中、彗霊石の上で幼い二人は一生の誓いを立てた。最中、礼子が足を滑らせ、転倒。頭を打ち、意識を失った。この時は息があったのだが、子供達は礼子の頭の傷から流れる血に戦き、彼女が死んだと誤解した。
血を見つめる顕の脳裏に祖先の記憶が蘇る。魂の一体化。顕は礼子の血を自らの体内に取り入れ、彼女を「生かそう」とした。顕は倒れ伏す礼子を抱き起こすと、傷口から血を舐めた。花嫁が目覚めるまでいつまでも。しかし、このことが原因で、早急に医者の処置を仰げば助かった命は潰えた。
大人同士の内々の処理で、少女の死は一人遊びでの悲劇となった。顕は何も起きなかったことの絶望と無力感、久保と柿崎はあまりに凄惨な光景を目撃したショックから死の現場に居たことを誰にも話さず秘密にした。秘密を共有することで三人の間に深い絆が芽生えた。

高校に入学した顕の前に、家庭教師として銀門鈴子が現れる。「レイコ」、幼い日に助けられなかった花嫁と同じ名前の女。顕は運命を感じ意識する。邪教のエージェントであった鈴子は顕の気持ちを利用し、その秘めた邪悪なる力を解放すべく、血を与えた。二人の異常な行為は続き、家人の目にも触れた。久保と柿崎も顕が魔性に捕らわれていることに気が付いた。親友を救おうとした二人だったが、鈴子の魔の魅惑に屈してしまう。

銀門鈴子の死は自殺である。顕の支えであった親友と恋人を奪うことで、彼に眠る血を覚醒させる仕上げとした。顕は鈴子の死をきっかけに、祖先の記憶を完全に取り戻した。父親である猛造が人を貪り食らう化け物になっていること、そして自分もいずれそうなることを顕は理解し、全てに絶望している。
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十字組組長。15年前に妻を亡くし、男手一つで一人息子の顕を育てた。現在は病気の静養で事務所や自宅を離れ某所に身を隠している。その場所は幹部しか知らず、皆護衛として猛造に付き従っている。

以下、十字組構成員等、事務所を出入りしている者が知る情報。

・カルトと女
猛造が癌に侵されていることが発覚したのは四年前で、丁度、大陸マフィアとの抗争が激しかった頃である。癌は医療での処置が非常に厳しいまで進行していたらしく、病魔に重ね精神的ダメージを受けた猛造は、藁をもすがるようにオカルトに傾倒した。古今東西の占いや呪術、魔術的品の収集、遂にはカルト教団(下っ端組員は詳細を知らない)に入信するに至った。教団の女を食客として自宅に招き、猛造は「先生」と呼び敬っていた。その女が、銀門鈴子である。

関連して十字顕の項目も参照。

・回復
四年前の時点で手の施しようの無かった猛造が順調に回復している。現在は発覚以降の憔悴が嘘のように元気な状態だという。猛造の回復に伴い、一度は手を結んだ大陸マフィアとの関係を反故にし抗争が再燃するのではないかと危惧する声もある。猛造が身を隠しているのは側近と秘密裏に策を練っていると見る者もある。

・買春
猛造が女を漁っているという噂がある。金月会から不法入国のアジア系の商売女をとっかえひっかえに買い夜の相手をさせているという。
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探索者の活動する街に本部を置く指定暴力団。歴史の古い組で、街の全域をシマにしている。組長は十字猛造。

a.聞き込み
警察関係者や風俗店等、この街のアンダーグラウンドに詳しい者が知る情報。

・折半
十字組は長年この街の裏側を牛耳ってきたが、この数年の間に状況が変わった。四年前より最大の資金源である繁華街のシマの半分を大陸系マフィア「金月会(きんげっかい)」に明け渡した。それまでは近年この地方に進出してきた金月会とは街の利権を巡り抗争状態にあった。現在、繁華街では大陸ルートの安価で粗悪な違法薬物の横行やアジア系外国人の売春行為等が目立ちつつあるが、これは金月会が手引きしているからである。

・密約
さらに警察の暴力団係や事件記者等の情報通ならシマを折半した理由を知っている。
金月会と手を結んだのは組長の十字猛造の指示。金月会と抗争が激化していた当時、猛造に癌が発覚したという情報がある。後継者を決める頃合のところを一人息子(十字組は代々世襲である)顕が四年前当時16歳とまだ若く、また物静かな性格であることから時期尚早との判断から手打ちに至ったと推察される。

なお、十字猛造や十字顕に関しては別項目も参照。

b.図書館
風土史等の伝承に十字組の成り立ちを見ることが出来る。彗霊神社に関して調べた際に関連付けてわかる。

・歴史
十字組は元は土着の豪族が起源である。ここ一帯を支配した神(彗霊神社が祭る)に仕えた一族の末裔で、奉仕の恩恵として剛力無双の強靭な肉体を神から授かった。不老長寿とも伝わる。一族はその血を大事にし狭い範囲での婚姻で後世に残そうとした。しかし、近親婚を繰り返す弊害が年月と共に一族の者に顕著に現れるようになった。奇形児の出生や精神錯乱。異形と化した一族の者が夜な夜な領民の血を啜ったなどという怪談話も残っている。そのような話が出るほど悪政を強いていたことは事実で、一族は領民のクーデターに合い、領主の座を追いやられた。一転して差別や偏見の的に晒され社会の裏側に爪弾きになった一族は、やがて極道へと身を落とした。

c.金庫
事務所の組長室の金庫に十字一族の秘密が記された古文書と、ある人物の調査資料が保管されている。現在、組長の十字猛造は不在であり、また手練の側近は全員猛造に付いている。事務所は普段より手薄な状態ではある。

・食人鬼
古文書を読むには専門の技能が無い場合、<日本語>の三分の一(四捨五入)に成功する必要がある。

古文書には一族に伝わるおぞましい継承の儀式が記されている。当主が代わる際、次の当主は現在の当主を食らうことによりその力を受け継ぐ。魂が一体となり、食われた者は新たな体の中で生きるとされる。また、リーダーとしてより強い力を得る為、一族の者や領民を(一族の者は自ら、領民は生贄として)食したことが書かれている。こうした魂も当主の中で生き続け、次代へと永遠に引き継がれるという。
儀式の具体的方法に関しては、所々が破けていたり文字が消えてしまったりしている為、わからない。

この書物を読んだ者は、<オカルト>に+2、正気度喪失0/1。

・探索者
調査資料は二人の男女について書かれている。

男は「川渡慎(かわたび・まこと)」、32歳のフリージャーナリスト。全国を渡り歩き、事件…とりわけ猟奇じみた、或いはオカルト的な案件を中心に取材活動をしている。寄稿している雑誌もそういったアングラ系が主体。
何かの紙面に掲載されたような解像度の低い顔写真が添付されており、頬のこけた堀の深い顔立ちの男が写っている。

女は「三橋由梨(みはし・ゆり)」、28歳の作家。作家といっても知名度は無いに等しく、川渡と同じマイナー誌にオカルト短編小説が稀に掲載される程度。ペンネームは「弓影ミカ」とある。
写真が添付されており、雑踏の中の女にピントが合わされている。女はホテルの幽霊(夜会の貴婦人のヴィジョンの女)と非常に良く似ている。

※川渡と三橋は探索者である。二人はニャルラトテップを崇める暗黒教団‘星の智慧派’の日本での活動の情報を掴み、この街を探索していた。三橋は一年前に殺され(プレアデス宿泊客の御影弓子。忌まわしき狩人に丸呑みされた)、街に潜伏していた川渡は先日捕まり、十字猛造の下で監禁されている。
雑誌社は二人が探索者として活動していたことは知らないが、二人と1年前から連絡が付かないこと、川渡が取材などの際に「星巳(ほしみ)」という偽名を用いていたこと、一ヶ月前に川渡について根掘り葉掘り聞いてくる電話があったこと(相手はインターネットのニュースサイトを名乗ったが声にいかつい印象を受けた)、を聞くことが出来る。
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