<   2009年 08月 ( 26 )   > この月の画像一覧

えー…前のが去年の11月ですか。そうですか。
もうちょっとスパン短くなんか上げてきます。たぶん。おそらく。

やたらとだらだら項目の多いシナリオですが、実際やることは単純です。街で調べて、廃村行って真相暴いて、さあどうする?…といったオーソドックスな感じですね。
わりかし選択の幅が広いので、変な方向に脱線したり、探索者が途中で逃げ出したりする可能性がありますが、その辺は少し甘めに対処するなどフォローしてみてください。かっちりやり過ぎるよりもその場のノリや雰囲気を重視した方がTRPGは楽しめるかと思います。本来、クトゥルフはシステム重視のTRPGではないですしね。

次もひっそりと更新していきますので、たまに覗いていただけると幸いです。
[PR]
by nurunuruhotep | 2009-08-23 22:34 | 月狂 | Comments(0)
萩島 弘毅(はぎしま こうき)
男性、38歳、萩島不動産社長。元暴力団員で、臓器密売組織を率い独自のシンジケートを持つ。垣内竜太郎の移植手術の件で月守に弱みを握られる。脱走夜光を追い、数名の部下を失っている。
STR16 CON15 SIZ17 DEX14 APP11 INT15 POW16 EDU16 SAN55
耐久力16 db+1D6
技能:言いくるめ85%、運転(自動車)50%、回避65%、聞き耳60%、経理70%、コンピューター45%、心理学65%、追跡55%、値切り85%、法律60%、マーシャルアーツ30%、目星75%、キック60%、組みつき50%、こぶし80%、頭突き40%
武器:32口径オートマチック65%1D8(3/R)、ドス70%1D4+2+db

萩島の部下
萩島の組織構成員は一括してこのデータを用いる(任意に設定しても良い)。
STR13 CON13 SIZ13 DEX13 APP10 INT10 POW10 EDU13 SAN50
耐久力13 db+1D4
技能:運転(自動車)50%、回避50%、聞き耳50%、目星50%、キック50%、こぶし60%
武器:32口径オートマチック45%1D8(3/R)、ドス50%1D4+2+db

弓形(ゆみがた)/九十九森 弦汰(つくもり げんた)
男性、33歳、クラウス・ホルトマンに仕える執事。月守として忠実なハイドラの僕を演じているが、その裏でクトーニアンとの対決の準備を着々と進める。左目に宝珠を隠し、MPを集めている。宝珠の耐久力は僅かに1であり、ダメージを受けると粉々に砕ける。
STR14 CON15 SIZ13 DEX16 APP10 INT16 POW18 EDU16 SAN 0
耐久力14 db+1D4
技能:言いくるめ65%、運転(自動車)60%、隠す90%、隠れる80%、聞き耳75%、クトゥルフ神話35%、経理80%、コンピューター50%、忍び歩き70%、心理学75%、説得75%、追跡80%、登攀75%、図書館65%、ナビゲート70%、値切り65%、法律65%、目星60%、歴史50%
呪文:宝珠の作り方やハイドラの力を使い洪水を起こす術を知っているがこのシナリオ中に使用することは無い。また、戦闘時等にルールブック内の任意の呪文を使用させても良い。

神無(かんな)
女性、年齢不詳(大人びた色気もあるし、少女のあどけなさも残る容姿をしている)、九十九森朔子の夢から抜き出された夜光の一人。弓形の命令に忠実に従う。
ガグとナイトゴーントを呼び出し従わせることが出来る。通常の召喚とはことなり、1体(ガグ、ゴーントどちらも)につき1D6ポイントのMPを消費し、以降ラウンドの終了毎に1体につき1MPを消費する。この間、彼女は歌い続け、歌を止めるかMPが尽きるとモンスターは消滅する。モンスターは歌い出すのと同時に出現し、複数呼び出すことも出来る。
STR 8 CON 8 SIZ 8 DEX15 APP18 INT 6 POW25 EDU 6 SAN 0
耐久力 8 db-1D4
技能:芸術(歌唱)99%、月霊花の栽培99%
呪文:ガグ、ゴーントの特殊召喚(上述)、歌によって宝珠にMPを集める(項目11参照)

イクリプスの夜光
女性、年齢不詳、九十九森朔子の夢から抜き出された夜光達。月守から逃げ出した(逃がされた)夜光も含め、一括してこのデータを用いる。脱走した夜光は弓形に自分達がクトーニアンの餌だということを知らされており、地震が起きる(クトーニアンが起こしていると彼女達は思っている)と死の恐怖から元居た夢の世界の扉を開いてしまう。神無とは違い出現したガグを制御することは出来ない。
STR 8 CON 8 SIZ 8 DEX10 APP18 INT 4 POW18 EDU 4 SAN 0
耐久力 8 db-1D4
技能:月霊花の栽培99%

クラウス・ホルトマン
月守の監視者。人間時は40代後半のゲルマン系の巨躯な男性の姿をしている。ハイドラに仕える奉仕種族(従者)で、本来は無数の動物や人の顔の塊に触手が生えた恐ろしい姿をしている。
触手の先のカマで対象の首を刈る攻撃が出来る。カマの攻撃がヒットした場合、対象者は肉体のダメージは無いがこの怪物とPOW同士の抵抗を行い、失敗すると首を取られてしまう。首と胴体が離れた状態でも生きており、首はハイドラの元へと届けられ次元の狭間に幽閉されてしまう。正気度は全て失われ、狂気の中で千の顔を持つ月霊の囚人として一生を暮らすこととなる。
データは本来の姿のモンスターである。
STR22 CON20 SIZ22 DEX16 INT20 POW25 移動 7
耐久力21 db+2D6
武器:触肢45%db×2(3/R)、首刈りカマ35%(効果は上述)
装甲:なし。但し物理的攻撃は効かない。呪文、魔術的武器でのみダメージを受ける。死なない限り、毎ラウンドの終了時に3ポイント耐久力を回復する。
呪文:ハイドラに関係する呪文は全て知っているが、このシナリオ中使うことは無い。その他、戦闘時等ルールブックにある任意の呪文を使用させても良い。
正気度喪失:1/1D10
[PR]
by nurunuruhotep | 2009-08-23 11:39 | 月狂 | Comments(0)
佐久間 章一(さくま しょういち)
男性、38歳、トラック運転手。留置中の彼に会うことが出来たとしても弁護士から得られる情報以上の話を聞くことは出来ない。彼がガグと遭遇したのは全くの偶然である。
STR14 CON13 SIZ15 DEX12 APP11 INT12 POW13 EDU13 SAN57
耐久力14 db+1D4
技能:運転(自動車)80%、経理50%、コンピューター30%、重機械操作50%、電気修理60%、ナビゲート85%、値切り65%、目星50%

清住 陸(きよすみ りく)
男性、21歳、医大生。沢木医院でアルバイトをしている。夜光の女が映るビデオを偶然発見したことにより、結果として正気を逸してしまうこととなる。
STR12 CON10 SIZ14 DEX15 APP13 INT14 POW12 EDU16 SAN20
耐久力12 db+1D4
技能:言いくるめ65%、医学60%、応急手当60%、化学50%、隠れる65%、経理40%、コンピューター90%、心理学35%、生物学40%、図書館70%、物理学30%、薬学50%

垣内 竜太郎(かきうち りゅうたろう)
男性、54歳、県議会議員。事故死した垣内敦也の父親。沢木医院に入院中。移植した彼の肝臓は夜光のもので、月霊花の成分を摂取し続けないと死んでしまう。10年前より蒐泊地区と関わっており、弓形(=九十九森弦汰)はその政治力を利用しようとした。
STR11 CON 6 SIZ13 DEX10 APP10 INT15 POW16 EDU18 SAN80
耐久力10 dbなし
技能:言いくるめ95%、芸術(絵画知識)60%、コンピューター30%、信用90%、心理学65%、説得90%、図書館60%、値切り85%、法律95%、英語30%

早乙女 雄一郎(さおとめ ゆういちろう)
男性、36歳、外科医。垣内竜太郎の手術を請け負った。冷静沈着を装うが、野心家であり強欲な内面を持つ。萩島とは長い付き合いであり、臓器密売に加担していた。月守と関わったことが彼の正気を蝕み、暗黒神話の世界にどっぷり浸かることとなった。
STR12 CON11 SIZ12 DEX18 APP13 INT17 POW10 EDU20 SAN 0
耐久力12 dbなし
技能:医学95%、応急手当95%、クトゥルフ神話10%、化学65%、コンピューター65%、信用85%、心理学80%、精神分析60%、生物学80%、説得90%、図書館90%、物理学50%、英語60%、ドイツ語50%、ラテン語40%、目星60%、薬学85%、外科手術(メス捌き)95%
呪文:ゾンビの創造

沢木 響子(さわき きょうこ)
女性、30歳、沢木医院医院長の娘。交際相手の早乙女雄一郎の挙動不審を心配している。
STR 8 CON 9 SIZ10 DEX10 APP15 INT10 POW12 EDU14 SAN60
耐久力10 dbなし
技能:医学20%、応急手当65%、芸術(社交ダンス)80%、経理75%、コンピューター40%、心理学55%、説得45%、英語50%、薬学30%

沢木 信義(さわき のぶよし)
男性、54歳、沢木医院医院長。垣内竜太郎とは旧知の仲。
STR10 CON12 SIZ14 DEX13 APP 9 INT15 POW14 EDU19 SAN70
耐久力13 dbなし
技能:医学90%、応急手当90%、化学50%、芸術(絵画知識)60%、信用95%、心理学75%、精神分析60%、生物学80%、説得90%、図書館70%、値切り90%、法律70%、英語40%、ドイツ語50%、ラテン語30%、内科診断95%
[PR]
by nurunuruhotep | 2009-08-22 22:13 | 月狂 | Comments(0)
◎探索の終わり
九十九森村の秘密、蒐泊地震の真相、弓形の正体等を知った探索者が今後取る行動によって今回の探索の終着点が決る。探索者が何もしなければ、月守(ハイドラ教団)は主人のために生体エネルギーを集め続けるし、そう遠くない未来にはクトーニアンが街の地下に出現するだろう。弓形はクトーニアンが巣に根付く頃合を見計らい洪水を起こそうとする。弓形の企ての成否に関わらず街はクトゥルフモンスターによる脅威に曝されるのは間違いない。
クトーニアンが街に近付いていることや月守の背後に恐ろしい神性が居ること等に恐怖を感じた探索者は街を離れるかもしれない。或いは、勇気を奮い起こし脅威に立ち向かおうとするかもしれない。クトーニアンを撃退する為に弓形に協力するかもしれないし、洪水を阻止する為に宝珠を破壊しようとするかもしれない。探索者には様々な選択肢がある。

・クラウス・ホルトマン
クラウスはハイドラの従者であり、主人に捧げる生体エネルギーを集めている。異形のクトゥルフモンスターであり、本来はこの世界に長時間留まることは出来ない。自分の故郷であるハイドラが鎮座する多次元宇宙の狭間とこちらの世界とを繋ぐことにより姿を維持している。その媒体となっているのが九十九森朔子である。
この恐ろしい異形の奉仕者を一時的に撃退する方法は二つある。
一つは宝珠(スフィア)を破壊することで、生体エネルギーを集める手段を失ったことによりハイドラの元に帰還する。この際、宝珠の破壊者の首を持ち去りハイドラに届けることで新たな(弓形の次の)奴隷とし、次の機会…それが明日なのか数万年後なのかはわからない…の準備をする。
もう一つの方法は九十九森朔子を殺すことである。こちらの世界にある首から下の胴体を傷付ければ(心臓を刺す等)朔子は死に、姿を維持する為の媒体を失ったハイドラの従者は即座に消滅する。
どちらの方法にしろ成功しても彼は一時的にハイドラの元に帰還するだけで、完全な撃退とはならない。近い将来に何らかの方法で探索者に復讐するかもしれない。勿論、直接的に倒すことが出来ればそんな心配をする必要はない。

弓形は月守ではあるが、心の底で、監視者であるクラウス・ホルトマンを自分の目的にとって邪魔な存在だと思っている。探索者がクラウスを撃退するように促すため、間接的な協力をする可能性はある。真相を告げ協力を仰ぐ等直接的(或いは軽率)な行動は絶対に取らないが、例えば、用具倉庫の電子ロックを解除しておくなど些細な助けはしてくれるかもしれない。

・弓形
弓形(=九十九森弦汰)の根底にあるのは過去との決着である。クトーニアンを完全に倒すことのみを使命としている。村の秘密を知り、惨劇を引き起こした彼の心は深い闇に捉われ、唯一の拠り所であった九十九森朔子がハイドラの囚人となったことで人としての精神は完全に崩壊し、全てを自分から奪った(と信じ込むことで自分を保っている)クトーニアンとの対決に執着している。眼帯下の左目の義眼は宝珠であり、洪水を起こす為の生体エネルギーを密かに溜めている。

弓形には常に神無が寄り添っている。弓形は自分に危害を加えようとする者がいる場合、神無に命令して排除しようとする。神無は夢の世界の住人…ガグ、ナイトゴーント…を召喚することが出来、これらを使役し対象を襲わせる。

弓形から義眼を奪う(或いは破壊する)ことに成功した場合、彼は狂った声で嘲笑い、「すべて龍に食らい尽くされるがいい!」と叫び、頭部が破裂して死ぬ(SAN 0/1D6)。これは宝珠を隠し持っていたことに対するハイドラの罰である。

⇒顛末
探索者がどのような選択を取ったとしても、街に崩壊の時が迫っていることは変わらない。ひとまずの決着を得た探索者の足元が静かに揺れ、このシナリオは幕を閉じる。

どういった結論を出すにしろ最後まで生き残ることが出来た探索者は1D6ポイントの正気度を得る。クラウス・ホルトマンを撃退することに成功している場合は1D10ポイント、弓形の企みを阻止した場合は1D10ポイントがさらに加算される。また、クトーニアンとの対決の意思を表明している探索者は1D6ポイントが加えられる。街から逃げ出した探索者は、怯えて暮らす日々を送る為に1D6ポイントの正気度を失う。
[PR]
by nurunuruhotep | 2009-08-22 20:32 | 月狂 | Comments(0)
百足ヶ淵は、九十九森家の本家屋敷跡が麓に位置する山の深奥にある。山は岩肌が露出し、時折土砂が崩れる音が轟く危険地帯である。道は無く、進むにはロッククライミングの技術を要する個所もある。
登山用の十分な装備を整えて臨んだ場合、先導者が<ナビゲート>を行う。これに失敗した場合、遭難する可能性がある。失敗時点で先導者が<アイデア>の通常、他は半分のロールを行い、成功すると行き先を誤っていることに気付く。再度<ナビゲート>を行う(時間経過、負傷などペナルティを与えても良い)。このロールにも失敗すると遭難する。遭難した場合のペナルティはリスクの高いものを設定すること(致死に繋がるダメージなど)。危機的状況を打破するために<幸運>を行わせても良い。また、これらのロールの他に各人が<登攀>を行い、失敗すると岩から落ちるなどダメージを被る。装備を用意していない状態で挑んだ場合は、各ロールにマイナスの修正(単純に半分などでも良い)を与えること。なお、車両での進入は不可能である。

・月霊花の丘
百足ヶ淵に達する寸前に丘がある。一面に薄紫色の花が咲き乱れている。この花は月霊花である。探索者が花園に一歩、足を踏み入れたと同時に風が吹いて紫の花弁を辺りに散らす。その花嵐の中からぼうっと浮かび上がるように、一人の少女が現れる。崖の前に立ち、ボロボロのキャミソール(元は白であったが所々が黒ずみ汚れている)を着ており、手に月霊花を持ち、薄ら笑いを浮かべている。その顔は一連の女達(鶫耶子ら)と同じ容姿をしている。

「うふふっ。ねぇ…わたしはだぁれ?」

何を答えても彼女は笑うばかりで、質問にまともに応じる様子は無い。この時点で地震が起きる。<回避>に失敗すると尻餅を突き、以降の最初の1R行動不能となる。女は絶叫し、彼女の前にガグが出現する(0/1D6)。

「いや、死にたくない。食べないで…わたしを食べないでぇっ!!」

5R後、再び地震があり崖が崩れ女は深い谷へと落下する。同時にガグは消える。
探索者が女に接近していた場合、崖崩れに巻き込まれる可能性があり、<回避>を行う。これに失敗すると谷に落下してしまう。この時、<幸運>に成功すれば木の枝などが緩衝役となりダメージが軽減され3D6ダメージ、失敗ならダイレクトに落下し5D6ダメージを被る。なお、<跳躍>に成功することにより1D6ダメージを引くことが出来る。
女は落下により即死する。女は身に着けている下着以外に所持品を持っておらず、情報となるような物品は見付からない。
この落下の着地点には「洞穴」がある。

→洞穴
月霊花の丘の崖の下には人一人が通れるほどの洞穴がある。
丘からこの場所まで降りるには<登攀>を行う。失敗した場合は3D6ダメージを被る(<跳躍>で1D6軽減)。この時、下準備の有無で<登攀>の値を変動させても良い。
<地質学>でこの穴が10数年以内に出来たものであることに気付く。但し、機械が使用された痕跡は認められず、また、何故か内側から掘られたものである。
穴は100メートルほどで行き止まる。その到達個所に、直径30センチ程度の楕円形の物体がある。一部が割れ穴が開いており、中身は空洞になっている。物体は晶洞石(ジオード)に似ているが、<地質学>でこれが鉱石に当てはまらないことに気付く。これを踏まえて、<生物学>に成功すると、この球体が何かの生物の卵ではないかという憶測に至る。但し、生物学の知識の範疇に無い未知の「卵」である。<クトゥルフ神話>で、状況と場所等を考慮し、この球体がクトーニアンの卵であり、クトーニアンの幼生が孵化していることを推察する。孵った時期を特定するまでには至らない。

・龍の棲みか
洞穴のある場所より先にさらに深い峡谷があり、下部は土砂や岩石に埋まっている。10年前の地震で地下水が噴出した中心個所で、進入には大きなリスクが伴うのは目で見るに明らかな様相を呈している。それでも探索者が押し入った場合は<登攀>等の各ロールにかなりのマイナスを与え、失敗時のペナルティは致死ダメージなど甚大な被害を被らせて良い。
峡谷は蒐泊地震で地下水が噴出する以前はクトーニアンの巣であったが、現在は土砂によって底辺は完全に埋まっている。土砂を全て取り払うことが出来れば、無数の人骨や巨大なクトーニアンの死骸が出てくるかも知れないが実質不可能である。崖崩れや落石が多発する危険な個所であるだけで、情報となるような物は何も見付けることは出来ない。
[PR]
by nurunuruhotep | 2009-08-22 20:32 | 月狂 | Comments(0)
☆手記
手帳には次のような内容が記されている。

向日家調査隊は当地の調査の過程で、村の根底にある恐ろしい秘密を知った。村の信仰対象である御月母様、当地の逸話に登場する夜光様、そして禁忌の地として恐れられる百足ヶ淵に棲む人食い龍…これらは本当に存在する可能性がある。少なくともこの内、夜光様は確実に「居る」。
結論から言うと、夜光様は九十九森家が作り出した「人間」である。九十九森家は対象の人間の別次元に存在する「もう一人の自分」を顕現させる技術を隠し伝える一族であった。別次元とは夢の世界であり、「もう一人の自分」というのは夢と同じく虚ろな存在で、現実世界に留めるには月の力を宿す特別なアイテム=月霊花が必要である。秘術は夜を支配する御月母様から授けられた。
村には夜光様が必要であった。それは、百足ヶ淵の龍へ差し出す村人の身代わりにする為である。九十九森家は代々秘密裏にこの一連の儀式(夜光様を作り出し龍の生贄にする)を執り行って来た。また、御月母様への見返りとして村民の生気を宝珠に集め捧げていた。これらを知るのは九十九森家本家と一部の村民(九十九森家の縁者や従属する者)のみである。
調査隊は百足ヶ淵に至る途中、月霊花が群生する場所を発見した。そこには「夜光様」達が暮らしていた。彼らは九十九森家を中心に村民と同じ顔をしていた。全く同じ容姿の者…とりわけ九十九森朔子と瓜二つが多い…も居た。彼らは盲目的に月霊花を育て、食料にしていた。

九十九森家には昔から続く仕来りがあり、それは夜光様の元となる者を閉じ込めておくというものであった。夜光様は年毎の祭…月霊祭で村の代表者から作り出されるのだが、それとは別に夜光様を切らさない(事故などトラブルへの備え)ように常に生み出せる存在として屋敷に幽閉するのである。この保険となる人材は九十九森家より選出され、10年前の時点で務めていたのが九十九森朔子であった。
九十九森家に閉じ込められる者は通例として処女或いは童貞が選出される。九十九森弦汰の母である美奈は過去に夜光様を作り出す素体に選ばれたが、村から逃亡し、子を宿して幽閉を免れた。しかし連れ戻された後は一族から蔑視され自らの心を痛める結果となった。

九十九森家の秘密を調査隊が知るきっかけとなったのは九十九森弦汰である。彼は九十九森家にありながら村の因習や九十九森家が支配する村の在り方について疑問を抱いており、九十九森家が隠す「真実」を暴くため村外の協力者を探していた。調査隊は九十九森弦汰と協力し、秘密を知るに至った。
村の秘密を知り調査隊と共に夜光様の実在を目の当たりにした弦汰は、開村以来続く悪習の根底に人食い龍の存在があると判断し、龍の撃退を決意する。御月母様の力を使い、月の引力で地下から水を噴出させ、龍の住処に洪水を起こそうと企てた。弦汰と、彼に協力することを決意した調査隊は、御月母様に力を借りる為に必要な霊力の媒体である宝珠を月霊殿から盗み出すことに成功した。しかし、九十九森家から身を隠す中、調査隊から逸れた手帳の筆者…高嶺員子は追っ手に見付かり捕らえられ、人質となった。

高嶺が地下牢に入れられた時、既に先に一人閉じ込められていた。弦汰の母である美奈で、首謀者である弦汰に対する人質として連れて来られたのではないかと高嶺は推測している。美奈は頭部に酷い怪我を負い、意識は無く息をするのがやっとの状態であった。
扉が閉じられて間も無く美奈は絶命した。それから程なくして上で建物が崩れるような物凄い音が轟いた。

手帳の後半部は、閉塞空間で飢えと孤独に苦しむ筆者の悲痛が綴られている。

手帳を読み、<クトゥルフ神話>に成功すると、九十九森家が村で秘密裏に行っていた儀式が神話的要素を孕んでいることに気が付く。御月母様というのは何かしらの神話的な存在(神性?)だろうし、人食い龍もクトゥルフモンスター(神話生物)である可能性が高い。また、夜光様が元々存在する夢の世界とういのがドリームランドと関係していると推測される。

☆フィルム
高嶺員子が所持していたフィルムを現像すると、写真から次のことがわかる。
10年前の6月10日から14日の日付で山野の風景が撮られている。人物が写っているものもあり、向日家調査隊の面々の調査風景が収められている。その中の1枚、6月14日の16時に写されたものに調査隊のメンバーとは別の人物の写真がある。向日家教授と握手する青年の姿が写っている。イクリプスで弓形の姿を目撃している者は<アイデア>で、写真の人物が彼の面影を持っていることに気が付く。
※写真の青年は九十九森弦汰である。

・月霊殿
蒐泊地震の土石流により建物は崩壊し、現在は土の合間から基礎部分の一部が露になっている状態である。土を掘り起こすなどこの場所で土木的作業を行う場合、<DEX×5>を行い失敗すると1ダメージを負う。
建物の間取りを把握し、<オカルト>に成功すると、ここが霊力を集積するのに適した魔術的建造物であったことを推測できる。また、<クトゥルフ神話>ロールで、神話生物を崇める教団がクトゥルフモンスターとの交信に用いる祭殿と同じ様式が取られている部分があることに気が付く(建物が残っていないため信仰の対象がどの神性かまではわからない)。
この場所から目星い物品を発見することは出来ない。
[PR]
by nurunuruhotep | 2009-08-22 20:30 | 月狂 | Comments(0)
蒐泊地区南西の山岳地帯の麓に位置し、至るには舗装されていない山道を通らなければならない。その山道も10年前の地震の影響から入口に柵が設けられ、進入禁止の標識が置かれている。山道は10年間手入れされておらず、深い森の様相を呈している。時折土砂が落ちる音が聞こえたり、現在も尚危険を漂わせる。山道とはいうものの途中からオフロードとなり、道なき道を進むことになる。

十分な装備を整えた場合は、パーティー全員で<ナビゲート>ロールを行い1人でも成功することで目的地に無事到着することが出来る。下準備も無く突入した場合は全員が<ナビゲート>に成功する必要がある。前者で全員が…或いは後者で一人でもロールに失敗した場合、各人で<幸運>ロールを行い失敗した者は落石や土砂崩れ等に合いダメージを被る。ペナルティは任意に決め、場合によって<回避>や<登攀>等のロールを試みさせても良い。その後、再び<ナビゲート>を行い、結果が失敗なら同様の手順を繰り返す。
車両で山道を通る場合、運転者が<自動車の運転>、運転者或いは指示者が<ナビゲート>のロールを行う。オフロードカーでは無く普通車で進入した場合は、値を半分にするかマイナス修正を加えるなど適当なペナルティを与えること。成功した場合は無事に目的地に到着する。失敗した場合は、ロールを行った者が<幸運>(複数居るならどちらか一方)に失敗すると、落石や土砂崩れ等により車両の横転などで搭乗者はダメージを被る。ペナルティに関しては適宜対処すること。その後、同様の手順を繰り返す。

九十九森村には山道入口から入って何もトラブルが起きなかった場合、徒歩なら約6時間、車で約1時間かかる。
九十九森村は10年前の地震以来、手付かずのまま放置されたままである。家屋の多くは倒壊し、手入れされていない田畑は干上がり荒れている。見渡す景色は所々の崖が崩れ、山肌が露出し、まるで採石場跡地のように荒廃している。

・九十九森家屋敷
村の外れ、岩山の麓に位置していた。土石流に飲み込まれたせいで建物が完全に倒壊し、現在は地面の合間から瓦礫や基礎部分が剥き出してかろうじて間取りがわかる有様である。

→地下室
土木作業用のシャベルやツルハシといった装備で屋敷跡地を掘り返した場合、<幸運>と<目星>ロールに成功することで鉄の落とし扉を発見する。一回のロールにつき1時間掛かり、危険な個所の作業なので、成否に関わらず<DEX×5>を行い失敗すると負傷し1ダメージを被る(2回目以降の作業はロールの倍率を下げたりダメージ量を増やしたりする等ペナルティを加算しても良い)。
扉は鉄製で閂がされている。楔の棒を外すことは簡単だが、扉自体が重くさらにかなり錆びている為、開くには<STR20>との抵抗に成功する必要がある。複数人で開放する場合は代表者の<STR>に2人め以降の<STR>の半分(切捨て)の値を加算し、代表者がロールする。失敗した場合、参加者は<回避>を行い失敗した者は負傷によって1ダメージを被る。

扉の向こうは石の階段があり地下へと続いている。階段を進むと5メートル四方の部屋に辿り着く。石畳の殺風景な部屋で、中性ヨーロッパの地下牢を思わせるような造りである。
部屋には2名の白骨死体がある(正気度ロール。0/1D6)。衣類や頭髪、双方150センチ程度の身長等から両名が一見すると女性であるように思われる。1つは床にうつ伏せに倒れた形で横たわり、一方は壁にもたれて座っている。
うつ伏せに倒れた死体は頭部が陥没しており、<医学>で鈍器等による殴打で致死するほどの外傷であることがわかる。但し、周囲に死体のキズに該当する鈍器は無い。シックな紺のワンピースの所々が破れている。所持品は無い。
壁にもたれた死体には目立った外傷は無い。死体の腰にウェストポーチ、傍らに手帳とボールペン、ペンライトがある。ペンライトは電池が切れている。ウェストポーチにはメイク道具等の小物とケースに入った写真のフィルム、財布がある。財布にはキャッシュカードや病院の診察券、学生証等が収まっている。カード類に記載されている名前は全て同じく「高嶺員子」とあり、学生証も同じ名前でその人物が県立大学の地質学科の大学院生であることが記されている。高嶺員子は蒐泊地震で行方不明になった向日家調査隊の一人である(事前調査で彼女の姿を知っているなら学生証の写真と合致する)。
[PR]
by nurunuruhotep | 2009-08-22 20:29 | 月狂 | Comments(0)
・九十九森家
村の祭祀を取り仕切る一族。村を興した宣教師を祖とし、一族の者は村長を歴任する。鶫を模した家紋を持ち、それは宣教団の記章に由来する。
九十九森家の屋敷は10年前の地震による土石流に飲み込まれ、一族の者全員が死亡或いは行方不明となっている。

→監視
九十九森家は山麓に屋敷を構えていた。屋敷を中心にした要所には監視カメラが設置され、敷地内に入る者を厳しくチェックしていた。百足ヶ淵に至る山道の入口や祭殿である月霊殿はこの敷地にあり、村外者はおろか村民といえど近付くことを禁じられていた。

→求心力の衰え
御月母様信仰は九十九森家にあっては厳格に受け継がれたが、時代と共に村民の間では形骸化して行った。このことにより、九十九森家と村民間で意識のズレが生じた。
現代に於いては、九十九森家中心の村の在り方に不満を募らせる住人も少なくなかった。地震以前の10年前当時、道路開発を巡り九十九森家と青年団の対立したことなど村民の九十九森家に対する不信感は表面化していた。

→九十九森朔子
村長、九十九森天十郎の娘、朔子は出世時の小児麻痺が原因で両足が不自由でずっと屋敷内で暮らしていた。外に出ることはほとんど無く、年に一度の月霊祭に顔を見せる程度であった。それも成人して以降の事で、幼少時は全くと言っていいほど外出しなかった。こうした背景から、朔子について当時(蒐泊地震以前)、妙な噂が村民達の間で囁かれていた。
朔子と兄の重伍との年齢差や、同居している死んだ天十郎の兄「幻吉郎(げんきちろう)…35年前、48歳で他界」の妻、臥子の年齢を鑑みて、朔子が天十郎が臥子に産ませた娘ではないかという疑いがあった。朔子は屋敷の外れの座敷に隔離されているという噂もあり、人目を憚っているのはそういった理由からだという。

朔子の写真は現存していない(そもそも撮られていない)が、鶫耶子や彼女と同じ顔の女の画像を九十九森村の元住人(特に老年者)に見せた場合、朔子とよく似ていると答える。

→九十九森弦汰
天十郎の妹、幾子の娘、美奈の息子。
美奈は地元(蒐泊)の中学校を卒業後、街(探索者が活動している)に働きに出た。美奈は活動的な性格で村の古い因習や家柄に捉われることを嫌い、半ば家出的に村を飛び出した。街に出て一年後、村に戻った美奈は子供を宿していた。相手もわからない行きずりの男との間に出来た子供…それが弦汰である。出産以降、美奈は九十九森家に戻り暮らしたが、醜聞を衆目に曝したことから彼女の両親と兄は村内や九十九森家内部に於いて肩身を狭くした。美奈自身も責任を感じ、村を出るまで快活であった態度も反転したように暗く塞ぎ込み、常に周囲の目を気にし怯えるようになってしまった。
こうした母を見て育った弦汰は、村や九十九森家に反感を覚えていたようである。道路開発を促進する青年団の先頭に立ち、九十九森家と対立するような態度を取ったのも母への思いが彼の内に根差していたからだと当時の村民は見ている。
若き日の母と同じく快活で、自分の意志を貫く若者であった。村長であり九十九森家当主の天十郎とは道路開発を巡り激しく対立していた。また、年の近い朔子の境遇(座敷に幽閉)に九十九森家への不信感を表していた。閉鎖的な村の体質を打破しようと奔走していた。

・35年前の事件と事故
35年前の8月20日、当時の九十九森家当主で村長であった九十九森幻吉郎が自宅(九十九森家本家屋敷)で猟銃を手入れ中に銃が暴発、事故死した。また、この3日前の17日に月霊殿が出火全焼している。不審火の可能性があり警察が捜査したが犯人は見付からなかった。月霊殿は九十九森家の管轄であり、火事と幻吉郎の死に何かしらの関連を当局は疑ったが繋がるような情報は何も得られなかった。
これらの情報は公的な書物(当時の新聞など)に記載されているが、上記の概略的内容以外はわからない。

→自殺の疑い
幻吉郎は書面上は事故死となっているが、当時の村民達の間では自殺ではないかと噂された。月霊殿には九十九森家の大事な家宝があり(実際何が安置されていたか、九十九森家以外の者は知らない)、それを焼失したことを幻吉郎は苦にして死んだというもの。証拠は無いが、月霊殿の火事の直後に幻吉郎を見た者の話では、普段厳格で冷静な幻吉郎が顔面蒼白で悲鳴を上げるなど相当取り乱した様子であったという。それから死ぬまでの間、幻吉郎は屋敷に篭って衆人の前に姿を現さなかったことも噂が流れる要因となった。

→不審者
35年前の出来事を知る九十九森村の元住人は、九十九森幻吉郎の死亡当時、怪しい人物の目撃例があったと述べる。
火事があった8月17日の翌日、村内で外国人が目撃された。大柄な銀髪の初老の男で、九十九森家の家紋に似た鳥のデザインが彫られた止め具の付いた黒いマントを羽織っていた。当時の九十九森村にとって外国人は異質な存在であったが、それ故に近付き訊ねる者もおらず、男が何者でどういった目的があって村に来たのか知り得なかった。男が目撃されたのはその日限りで、男の行方はわからないという。
[PR]
by nurunuruhotep | 2009-08-21 22:11 | 月狂 | Comments(0)
◎九十九森村住民
九十九森村は10年前の地震の影響で現在も隔離された状態であり、行政上は廃村になっている。元の住人は他の土地に離散し、蒐泊地区に留まった者は極僅かである。そうした者達の多くは身寄りの無い高齢者が占め、行政から生活保護を受け住居を提供され暮らしている。差別意識が強い世代であり、彼らから話を聞くには交渉系スキルを駆使する必要がある。

・御月母様
九十九森村の信仰の対象。月の光でこの世の穢れを吸い取る女神。

→像
村の各世帯は御月母様を模した像…妊婦の聖母像…を所持し床の間に祀っていた。九十九森村の元住人宅でも同様の場所(床の間)或いは神棚等にこの像が置かれている。

<オカルト>で、妊婦がケガレ=不浄の存在で、ハレ=聖なる場所である床の間に置くのは矛盾するという民俗学的考察に至る。出産に伴い出血や死産が付き纏うことから妊婦は穢れたものと扱われ産屋に隔離された。床の間は神棚を置く神聖な場所である。日本各地の習俗でそうなっているにも関わらず、聖と不浄が同居しているのは通常例を見ない。これは、九十九森村の生い立ち(見捨てられた者の集落)にも関係していると推察される。

→月霊祭
村では毎年十五夜(旧暦8月15日=現在は9月7日~10月8日)に月霊祭(つくもまつり)という祭りが行われた。十五夜の祭事と同様に月見の供え(団子や果物などの供物を飾る)をするが、その他に、村から選出された代表者が月霊殿(つくもでん)と呼ばれる祭殿に篭り夜を明かす行事が行われる。一年に溜まった村の災厄=穢れを村を代表して御月母様に吸い取って貰う。祭りの間、祭殿を覗くことは禁じられている。
代表に選ばれた者の話では、司祭である九十九森家の者に持て成され飲み食いした後、就寝するだけという。祭殿には月を模した宝珠と十五夜のお供えが置かれている。特に変わったことが起こるわけではないらしい。

・夜光様
村には昔から自分と同じ姿をした者に出くわすという伝承がある。御月母様が照らす月の光が作り出した幻影で、夜光様(やこさま)と呼ばれる。夜光様は姿形は自分とそっくりだが、意思は持っておらずただ虚ろに彷徨っている。幻なので、時間が過ぎれば消えてしまう。御月母様の戯れとされる。

→龍の贄
九十九森村は元々蒐泊地区が龍の脅威(地震)から免れる為に龍に捧げた人柱であった。村が形成されると、村民達は自分達の身代わりに夜光様を龍の元に行かせた。百足ヶ淵には幻である夜光様を現世に留まらせる場所があり、そこに夜光様の集落があるという言い伝えがある。
[PR]
by nurunuruhotep | 2009-08-21 22:10 | 月狂 | Comments(0)
◎蒐泊地区
蒐泊地区に暮らす住人から得られる情報。

・九十九森村について
昭和の中頃までは九十九森村出身者に対する社会的差別は蒐泊地区並びにその周辺に於いて顕著であったが、前時代的差別を撲滅しようとする全国的な風潮によって同地区に於いてもそういった差別意識は急速に風化していった。それでも、老年齢層を中心に村に対する偏見は今でも根強く残っている。
蒐泊地区に住む老人に九十九森村のことを訊ねるとその多くの者は、「社会不適合集団」というニュアンスを含む罵った言葉で返答する。また、地区内やその近辺で起こる災害や事故、事件は全て九十九森村に関連付けられる(地区内で事件が起きればまず九十九森村の住民を疑う等)。10年前の地震に関しても、そういった人達は(根拠も無く)九十九森村が何かしら関係していると思っている。

→宗教
蒐泊地区に於ける九十九森村に対する差別意識は歴史的背景に由来し、村が宣教団によって形成されたことにより異国の宗教や文化が持ち込まれたことが大きく影響している。キリスト教への弾圧があったことも拍車を掛けている。その宗教的基盤から、村が出来た当初より外部の者からは得体の知れないものを崇拝する集団と思われており、現在に於いてもそういった認識は残っている。
九十九森村では月の神を崇拝しており、村を仕切る一族である九十九森家の名前は「月守(つくもり)」を起源にする。この月の神はキリスト教の聖母マリアであり、村では「御月母様(みつくもさま)」と呼ばれる。人々の日常である昼の世界は穢れており、月(=マリア)が照らす光がその穢れを吸い取るという。こうした思想背景が、部外者に村をカルト的集団と思わせる所以となっている。
しかし、実際には長い年月から村の基盤であった宗教意識は村民の間から薄れて行った。祭祀を司る九十九森家だけがその所作を継承し、時代の推移と共に隠秘色の強いものとなった。村外者はおろか村出身者であっても、九十九森家が現代においてどのように宣教団の教えを受け継いでいるか詳細に知る者はいない。

・百足ヶ淵
昔から百足ヶ淵は人食い龍が棲む場所として、蒐泊地区の者は近付くのを避けた。九十九森村に偏見を持った年配者の中には、元々九十九森村の住人が、龍が暴れるのを沈めるための生贄であったと言う者もいる(身体が不自由な者を不毛の地に追い遣った背景に起因する)。

→逸話
昔、ある男が百足ヶ淵に迷い込んだ。彷徨い歩いていると、花の咲き乱れる場所に行き当たった。そこには人が住んでおり、何故こんな危険な地にいるのか訊ねると自分達はここで花を育てていると答えた。そうこうしているうちに地の底から龍が現れ、住人の一人を奈落に連れ去った。男は他の者に逃げるよう言ったが、花を置いては行けないと誰一人動こうとはしなかった。仕様が無く男は一人で逃げ、なんとか村まで辿り着いた。ところが、村に着いた男は自分の目を疑った。村人の中に百足ヶ淵に住んでいた者が混ざっていた。あれほど拒んだのに結局逃げたのか訊ねると、村人はずっと村に住んでいると答えた。そんなはずは無いと男は食い下がったが、皆同じ答えを返すばかりであった。村を離れ、他の場所でこの話をしても狸か狢に騙されたのだと男は馬鹿にされるだけだった。
男は自分が見たことが本当か確かめると言って、再び百足ヶ淵に向かった。それから幾日か過ぎた後、戻った男は手の平を返すように自分の勘違いであったと語った。自分は今まで夢を見ており、龍も花畑の住人も全て夢であったという。男はある花を持っており、それがなんなのか訊ねても決して答えなかった。

この昔話は、年配者から聞くことが出来る。話の最後に「きっと男は入れ替わって龍に食われたに違いない」というオチが付けられる。

・九十九森家の行方
10年前の地震で九十九森家の屋敷は土石流に飲み込まれた。このことにより、九十九森家の者は皆、死亡したか行方不明となっている。

・謎の死体
蒐泊地区の消防団員で地震当時救助活動した者が知る情報。当局から口止めされている事柄なので、聞き出すには交渉系のロールに成功する必要が有る。
死者は公表されている数値より多かった。九十九森村周辺から6名(男性5、女性1)の身元不明者が見付かっている。蒐泊地区の行方不明者の誰とも合致せず、身元を確認する所持品も見付かっていない。当該地区の性格(社会との隔絶)から不法就労の外国人入国者の可能性など事件性を考慮し、秘匿された。
※この死体は夜光である。
[PR]
by nurunuruhotep | 2009-08-21 22:08 | 月狂 | Comments(0)