カテゴリ:COFFEE MILL( 11 )

雨月珈琲堂綺譚「COFFEE MILL」如何でしたでしょうか。

ユゴス星人は使い勝手が良い神話生物ですよね。侵略や調査とかオーソドックスな宇宙人な感じで話が作り易いです。海外のシナリオにも頻繁に出てきますよね。

その昔、ユゴスからの侵略というキャンペーンが…(もがもがもが)。

雨月珈琲堂綺譚はなるべくシンプルに、内容もあまりマニアックにならないよう心がけて書いてます。気軽にクトゥルフ世界を覗いてみよう、みたいな。

このシナリオの所要時間は3時間くらいですので、初心者がルール覚えがてらプレイするのに適してるのではないでしょうか。慣れた探索者には物足りないかも知れませんが、ちょっとした息抜きにでも。

さて、次は…
クトゥルフと帝国も出てることですし、昭和初期クトゥルフでもいきますか。
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雨月 秋成(うげつ あきなり)
男性、48歳。雨月珈琲堂店主。
STR12 CON13 SIZ13 INT15 POW18 DEX16 APP15 EDU18 SAN90
耐久力13 db+1D4
技能:オカルト75%、機械修理50%、クトゥルフ神話5%、経理75%、芸術(絵画)60%、写真術65%、信用90%、心理学80%、説得85%、値切り85%、博物学75%、目星70%、おいしいコーヒーをいれる99%
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このシナリオの参加者は、1D6ポイントの正気度を得る。
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雨月に事の全てを話すと、彼はそうですかと一言呟きため息をつく。それから、柊実のコーヒーミルを受け取ると、豆を入れゆっくりとレバーを回す。例の耳に付く音はしない。
雨月は挽いたその豆でコーヒーをいれて、探索者たちに出す。

「どうぞ。私と古い友人との思い出の味です」

雨月珈琲堂のコーヒーミルにまつわる異変は一応止んだ。しかし、客の何人かが、時々、店の隅から音がするのを聞くという。キーンという音叉のような奇妙な音が。
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山へは車や重機で進入出来ない。そうした場合、ミ=ゴが邪魔をする(土砂崩れなどを起こす)。また、探索者が明らかに武装しているとわかる恰好で山に入った場合、やはりミ=ゴが邪魔をして奥に進ませない。

山からは、耳に付く音叉のような(コーヒーミルと同じような)音がしており、それは奥に進むにつれ大きくなる。
しばらく進んだ時点で、<目星>に成功すると、黄色く色付いている木々が幾本か立っているエリアを発見する。それはイチョウの木で、キーンという音がここから一際強く響いている。
イチョウの木は、円陣を組むように円く並び立っている。木に囲まれた中心点は何も無いように見えるが、“門”になっていて、入った者をある場所に転送する(MP1、正気度1消費)。

◎アウトサイダー
“門”の転送先は、下水道のように湿った暗い通路。足元には、拳大の石が円形に並んでいる(中心に入るとイチョウの木が囲む場所に戻る。MP1、正気度1消費)。
通路は土の中を刳り貫いた感じで、進むと、やはり土の壁に囲まれた広いホールに出て行き止まる。ホールの中央に土で出来た壇がある。壇の中心に四角い穴が開いており、その穴のサイズは柊のコーヒーミルがちょうど嵌る大きさである。

コーヒーミルを壇の穴に嵌め、レバーを回すと、音叉のようなキーンという音がホールに響き渡る。すると、目の前が白く光るモヤに包まれる。視界はモヤによってくもり、はっきりと物を捉えられない。
白いモヤの中に3体の人くらいの大きさの「何か」が現れる。その「何か」の楕円形の頭部は青い光が明滅している。その3体の真ん中の奴が、円筒形の物体を持っている。よく目を凝らせば(<目星>)、円筒形の物体の中に脳ミソのようなものが液体に浸かっていることに気付く。
不意に、円筒形の物体から黄色い光が発せられ、ゆっくりと色が付いていって、ホログラム(立体映像)が映し出される。映像はやせた中年男性の顔。
映像の男性が微笑むと、あたりに男の声が響く。

「…いつか誰かが訪ねて来てくれると思っていました。雨月珈琲堂の方ですね?私は柊実です。マスターはお元気ですか?」

「今、私は友人たちと楽しく暮らしています。時折、前の生活を思い出し人恋しくもなりますが、あなた方が来てくれたおかげで、それもまぎれました」

「そのコーヒーミルは気兼ねなく使ってくださいとマスターにお伝えください。そしてこれからもおいしいコーヒーを入れ続けてください、とも」

「これでもう心残りはありません。友人たちには、これからは人々の前に出ないようにと言っておきます。好奇心旺盛なものたちなので聞いてくれるかどうかわかりませんが」

「それでは失礼します。もう二度と会うことはないでしょう。ご来訪本当にうれしかったです」

映像はここで消える。
眩い光が辺りを包むと、次の瞬間にはいつの間にかイチョウの木の下にいる(MP1、正気度1消費)。傍らにはコーヒーミルがある。イチョウの木はすべて枯れており、奇妙な音も聞こえない。また、木が囲む中心に入っても転送されない。
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柊が住んでいた場所に至る途中、イチョウの並木道がある。木々は(冬であるため)すっかり枯れている。
柊の家は、並木道の行き着く先の山の麓に位置する。すでに取り壊され、更地になっている。
この付近一帯は、都市開発による工事中で、大型車が入り込み、作業を行っている。

◎作業員からの情報
柊の家のあった付近で作業を行っている者から次のことが聞ける。

1.機材の不調。この辺りで電子機器が誤作動することが時々ある。原因は不明。

2.幽霊の話。夜間、作業をしていると、変な気配がする。また、巨大な昆虫の羽のようなものが付いた人ほどの大きさの影を目撃したという証言もある。このことから、気味悪がって最近は夜間作業を行う者はいない。

3.奇妙な音。山奥(柊の家の裏山)から、キーンと耳に響く音がする。

4.山奥にブルドーザーなど重機で入ろうとすると、土砂崩れが起こったり、巨木が倒れてきたりして、進入できない。
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柊実は存命なら46歳。幼い時に両親を無くし親戚もおらず天涯孤独の身。未婚。5年前まで、大学(任意)で教授として教鞭を振るっていた。専攻は植物学。
5年前に突如として行方をくらませ、大学側から警察に行方不明の届けが出ている。

◎大学での情報

・ヒマラヤでの遭難
柊の所属していた研究室の者から、次の情報を得ることが出来る。

7年前、柊は植生の研究のため研究室のメンバー5名とチベットに赴き、ヒマラヤ登山を試みた。登山の途中、柊一人がはぐれてしまった。4日に渡って遭難救助活動を行ったが、見つからず、天候の悪化から生存は絶望視された。しかし、遭難から5日後、柊が一人で下山してきた。軽い凍傷はあったものの、他に外傷と呼べるものは無く非常に元気な様子だった。
遭難中のことを柊に尋ねると、彼は、雪山に住む者たちに助けられ、その者たちの集落で天候が良くなるまで休ませてもらっていたと答えた。しかし、柊の遭難した地点が人が住めるような場所でないことから、彼の話を信じる者は無かった。

柊はチベットから帰国後、本業である植物の研究をそっちのけで、ヒマラヤで出会った者たちと交信するための研究に没頭した。柊を助けた者たちは、(彼の話では)外界とは無縁に暮らすものたちで、独自の文化を持っているため接触しコミュニケーションを取る為には念入りな研究が必要とのこと。
研究室の者たちは柊が遭難のショックで頭が少し変になったと思い、以前より距離を置いて接するようになった。彼がしていた研究というのも、まるで幼児の遊戯のような非科学的でなんだかよくわからないものだった。

研究室の者は上記のことと柊の失踪の関連はわからないという。また、研究室に柊が残した書類等からおかしな点は見つからない。

・雪男
大学側は柊の家にあったものを全て預かっている。この中に、ヒマラヤの雪男についての資料がある。
イエティと呼ばれる未確認生物だが、ヒグマが正体である説が濃厚。1959年日本の登山隊に地元住民が雪男の毛皮だとしてヒグマの毛皮を差し出した。多くの登山家達が資金繰りに苦慮し、地元で雪男と呼ばれていたヒグマを未確認生物に仕立て上げ、資金源にしていたという疑惑がある。
資料にもヒグマの毛皮のエピソードは記されており、その個所に下線が引かれ「被っていた?」と注釈のようなメモ書きがある。

・柊の家
大学で柊が住んでいた場所を知ることが出来る。
都心からかなり離れた山間部に大学の気象観測用の建物があった。柊はそこを間借して暮らしていた。しかし、その辺りは都市開発地域に指定され、大学側が行政に土地を譲渡した。現在、大規模な工事がなされ、柊の住んでいた場所は取り壊されている(その為、柊の家財は大学が預かっている)。
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雨月珈琲堂周辺で次のことが起こる。すべて交信機に誘われたミ=ゴが起こしていることだが、あからさまに対峙させないこと。

1.ドアの外から柊のコーヒーミルの音叉のような音と似た音が聞こえる。しかし、外に出ても何もない。

2.犬の鳴き声がする。行くと首を切断された犬の死骸がある。犬の頭部はなく、切断面も鮮やかで血も滴っていない。

3.ミ=ゴのシルエットを見る。カーテンや壁に映った影。但し、それが何かはっきりとはわからないような演出にすること(羽ばたく木の枝のような形状に見えるなど)。

4.イチョウの葉を見つける。周辺にイチョウの木は無いし、季節的に枯れている。
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5年前に柊実が置いていったコーヒーミルは、実はミ=ゴとの交信のために使う機械である。
植物学者である柊実は今から7年前、植生の調査でヒマラヤ登山を試みたが、仲間とはぐれ遭難した。その際、偶然にミ=ゴの基地に入り込み、彼ら(ミ=ゴ)に命を救われた(と柊は信じているが、ミ=ゴは単なる興味本位で彼の体をいじくっただけ…)。
それからというもの、柊はミ=ゴと交信するための研究に没頭し、ついに5年前にその機械を完成させた。柊は、ミ=ゴの世界に行くにあたって、いつか誰かが自分に連絡を取って欲しいという期待から、雨月に交信機の一つを渡した。誰も知る者のいない世界に一人滞在するのはとても不安で寂しいことだろうから…。

尚、豆挽き機に似せた交信機は特殊な技術(ミ=ゴのテクノロジーに近い超科学的な技術)で作られているため、地球の技術でいくら調べても通常のものと大差ないことしかわからない。もし分解しても、おかしな点は見つからない(但し、雨月からは思い出の品だから壊さないでくれと念を押される)。
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舞台は現代日本。季節は冬。
探索者たちが、行きつけの喫茶店「雨月珈琲堂」に居る場面からシナリオは始まる。

店主の「雨月秋成(うげつあきなり)」から、あるコーヒーミル(豆挽き機)を見せられる。
上部に豆を入れる受け皿がある古い木箱にレバーが付いたシンプルな形状。
雨月はこのコーヒーミルに豆を入れ、ゆっくりとレバーを動かす。すると、それに合わせて奇妙な旋律が奏でられる。音叉の共振のような耳を突く音。

このコーヒーミルは、5年前に常連客だった「柊実(ひいらぎみのる)」という男が置いていったもの。柊は10年以上前から通っていて、よく木や花の話をしていたという。そのことから、どうやら植物の研究をしている人らしいことは推測できたが、雨月は彼の詳しい素性は知らない。
5年前、「世話になった」と言い残し、コーヒーミルを置いていったきり来なくなった。

「よくイチョウの話をしていました。秋に黄色に色付く銀杏並木を歩くのが好きだって。とてもロマンチストな方でした」

◎異変
雨月は、柊が置いていったコーヒーミルを思い出の品として使わずに今まで取っておいたが、半月前、いつも使っていた豆挽き機が壊れたため、使用した。その時を境に雨月の周りで奇妙なことが起こるようになった。

例えば、閉店後の誰も居ない店内でキーンという奇怪な音がしたり、物陰に何かの気配を感じたり、夜間に外から羽虫が羽ばたくような大きな音が聞こえたり…。しかし、いずれも原因となるものは何も見つからなかった。

最近、変わったことを思い浮かべるとこのコーヒーミルを使用したくらいしかなく、雨月はそれらの怪異が柊のコーヒーミルと関係しているのではないかと思っている。ただ、思い出のもので分解するのも気が引けるという。

柊実の消息も含め、異変の原因究明を雨月から頼まれる。また、コーヒーミルは調査が終わるまで探索者に預けられる(現在は壊れたものの修理は完了した)。
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