2008年 10月 16日 ( 3 )

御高一家は、津川町の住宅街のマンションに暮らしている。サラリーマンの父親は東京に単身赴任中で、現在は母と娘の2人暮らし。

◎御高翔子
御高翔子は部屋に閉じ篭っている。ノックしても返事はない。
室内はムワッとした熱気にむせ返っている。窓は締め切られ、エアコンは作動していない。母親に理由を聞くと、冷房をかけると翔子がうずくまって動かなくなるからと答える。壁に血の跡があり、枕やシーツがむしられている。
ベッドの上に、髪の長い少女が座っている。少女の両手は縛られていて、その縛った手を目線の上の方にやり何もない空間をもがくように掴もうとしている。話しかけても、返答はない。
翔子はぶつぶつと何か呟いている。「父さん…父さん…」と何度も繰り返している。

・本当の父親
母親に夫(翔子の父親)のことを尋ねると、単身赴任で東京にいると答える。娘がこうなった後、一度帰ったが仕事が忙しくすぐ東京に戻った。以前から娘のことは母親に任せっきりで、今回のことも一任された。翔子と父親の関係はあまり仲の良いものではないが、この時期の少女と父親にはどこの家庭でもありがちなことだろう…といった感じで話される。

母親に対し、<心理学>で、何かを隠している様子に気が付く。さらに突っ込んで聞けば、翔子の本当の父親が別にいることを話す。

翔子の本当の父親は「氷室亨(ひむろとおる)」といい、現在は故人。
津川学院大学の大学院生だった氷室は、専攻する考古学の研究のため北アメリカに長期滞在した。その際、現地の女性との間に生まれたのが翔子。(但し、探索者の見た翔子から、いわゆるハーフらしさは感じない)
氷室を心から愛していた彼女は、翔子を連れ帰国した氷室と結婚。しかし、その1年後、翔子が2歳のときに、氷室は交通事故で死んだ。

翔子の本当の父親、そして自分とも血がつながっていないことは翔子に秘密にしている。父親に関しては、もしかしたら幼い時の記憶があるのかもしれない…という風に語るが、そのことを翔子本人から聞いたことはないという。

彼女は、氷室の研究についてはよくわからないし、彼に関するものは現在の夫との結婚(氷室の死後1年後、翔子3歳のとき)の際に全て処分した。翔子の本当の母親については、氷室があまり語りたがらなかったので、これも知らない。

但し、彼女が翔子を本当の娘のように思っていることは、態度や口ぶりから見て取れる(必要なら<心理学>)。

※氷室亨の研究については、4.氷室亨の研究の項目。

・交友関係
翔子と特に親しかったクラスメイトが二人いる。
「西原久実(にしはらくみ)」と「柳波喜理(やなみきり)」で、翔子の部屋には三人で写った写真が沢山ある。
母親は、9月11日(翔子がおかしくなった日)に、電話で2人に9月10日の放課後について尋ねているが、その日は双方とも一緒ではなかったという。翔子は用事があると言って、一人で何処かに行ったらしい。

・アルファベットの鏡文字
10日の夜、翔子が所持していた鞄(学校指定の学生鞄)の中身は、女の子がよく使う小物の類と勉強道具が入っている。
その中の、一冊のノートに奇妙な文字の羅列が書かれている。
アルファベットの鏡文字(鏡に映した逆文字)で、26文字が左から縦に4文字ずつ、計6行にわたって記されている。そのうち、「N」と「Y」が抜き出され、Nが文字郡の左上、Yが右上に書かれている。
[PR]
舞台:
1990年代、日本。
話中では架空の町、京都府津川市津川町を用いるが、任意に設定して構わない。

津川町は奈良との県境に位置し、津川という大きな川が流れ、周囲を山に囲まれてるせいもあり、濃い霧のかかることの多い小さな町。

時期:
まだ暑さの残る9月。特に不都合が無ければ9月20日とする。

探索者の設定:
シナリオに絡めれば任意で構わない。
ここではスムーズな進行のため、一例を記す。

探索者たちはオカルトじみた事件を扱う霊感探偵的な活動をしている。

そうした怪しい活動から知り合った人脈の一人に、「甲斐里早緒(かいりはやお)」という私立探偵がいる。
細身の若い男で、金髪に赤いメッシュを入れ、肌をやたらと露出した服にシルバーアクセサリをチャラチャラと付けた一見するとパンクバンドのメンバーに見えるような恰好をしている。本人は自分のスタイルをアメリカナイズされていると思っているが、勘違い甚だしい。しかし、何故か探偵としての腕は確かである。

彼は自分に依頼された調査を肩代わりしてほしいという。

「俺、今度見合いしなきゃなんねーんだわ。うちの親がうるさくてね。そんで、今回の事件頼みたいんだよ。依頼受けてから見合いの話来ちゃって。タイミング悪いよねー。報酬とか全部そっちにやるからさ。頼むよ、マジで」


◎依頼内容
私立津川学院(中学から大学までの一貫校)高等部に通う一年生「御高翔子(みたかしょうこ)」の身辺調査。依頼主は彼女の母親。

9月10日午後9時、翔子は帰宅した。
学校帰りに友達と遊んでいるらしく、それまでも時折帰宅が遅くなることはあったが、その日は様子が違っていた。制服のブレザーの所々が擦り切れて土埃にまみれ、靴を履いてなくソックスで帰ってきた。学校で何かあったのか聞いても答えず、黙って風呂に入ると部屋に篭った。
翌日から翔子は放心状態になり、時折壁を引っ掻いたり、辺りの物(カーペットなど)をむしりだしたり…といった状態に陥った。

医者に見せたところ、強いショックを受けた事が原因と診断されたが、その原因を知らないことには処置が非常に困難と告げられた。

母親は、暴力やいじめを受けた事によるものではないかと思い、学校に問い合わせたが(騒ぎをさけたがる学校の気質の例に漏れず)曖昧な返答しかなかった。

困り果てた母親は、一般業者(甲斐里早緒)に調査を依頼した。
[PR]
クトゥルフの呼び声シナリオ
『HIZUMI 歪』

RPGマガジン1996年10月号掲載

※注意

ブログなので簡略的に記します。

項目毎に区切ります。

上げ進行なので、ページの若い方から下がっていきます。
ですので、下から読んでください。(この記事から上がっていってください)

シナリオは当然フィクションです。
実在する全ての事象とは関係有りません。


……しがみつかれた手が痛い。千切れそう。頭がチカチカして、気が狂う。のどが渇き、もがいた手を掴まれる。何度も何度も体を振り回される。おなかが焼ける。口も。手がつって、くさいドロドロを飲まされる。全身がしびれて、壊れた玩具のようにクタクタになる。それでも、儀式はいつまでも続く。奴らが、あきるまで。

ソシテ、ワタシハ、ゴミノヨウニステラレタ……


ここは夜の街 魔物の住む世界
[PR]