2008年 10月 11日 ( 3 )

東京で女を次々に殺した凶悪犯「新庄重児」はその姿を変え、津川町に潜伏している。
ヤクザ組長の娘を騙し組の金を盗ませたが、その女が殺された。事件が騒がれていることで逃亡のタイミングを逸した新庄は精神的にかなり追い詰められている。
疑う者はすべて殺す。極度のストレスによって殺人鬼の本性が曝け出す。


◎大成会
関西に古くからある暴力団組織。
規模は大きくないが、業界では中堅どころに位置する。
津川町に本部事務所を構える。事務所は会長であった大石慎一郎の自宅も兼ねている。

・向井修身
向井は現在、大成会本部事務所に居る。
組員らにうまく話を付けることが出来れば、向井と会うことが出来る。彼は普段、会長室におり会長の椅子に踏ん反り返って座っている。オールバックの髪型、サングラス、黒スーツといった「いかにも」な格好。
向井は敵味方はっきりした性格で、彼を疑うような発言や態度をとった場合は「丁重」にお引取り願うはめになる。気に入られさえすれば、情報となる話を聞ける。

「お嬢さんは組の金を盗んだ。オヤジが死に自棄になったのか、男にでも騙されたのか知らんが、盗んだ金がまずかった。でかい取引に必要な大事な金でな。そんで総力挙げてお嬢さんを探してたんだが、あんな風に見つかったってワケだ」
「金は戻らず仕舞いで、結局取引はポシャリ、ワシらの面子はまるつぶれだ」

・大石恵の秘密
恵は生まれてすぐ母親を失くし、父である慎一郎の元で大切に育てられた。溺愛されており、高校卒業後は進学も就職もすることなく22歳になった現在まで親元に置かれていた。典型的な箱入り娘。
幼少より恵の世話をしていた女性が居る。彼女は恵のある秘密を知っているが、恵を思い誰にもその秘密を話していない。彼女は慎一郎や恵の死が向井ら反大石派の仕業と思っている(実際には慎一郎は本当に病死で、恵を殺したのも別)。
探索者が信用にたる人物と彼女が判断すれば、恵の秘密を教えてくれる(交渉系ロール)。

恵は一月前からある男性と付き合い出した。男は「小野純一(おのじゅんいち)」、津川町に暮らすカメラマン。恵は小野にかなり惚れていた様子だった。
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◎儀式
喜多がヨグ=ソトース招来の儀式を行うタイミングはシナリオの展開を考慮し、任意で設定して構わない。探索者が礼拝堂で秘密を知った直後が、テンポも良いだろう。

喜多は、6人のウィザードと門裏公園の門裏池で儀式を行う。全員フード付きの黒いローブを纏い、儀式用のサーベルを持っている。
池の辺に台座があり、女(大石恵)の頭部が置かれている(SAN 0/1D3)。台座の周囲には公園に居た浮浪者が10名横たわっている。彼らに意識がある様子は無い。
儀式中6人のウィザードが≪ナーク=ティトの障壁の創造≫を唱え、STR180の見えない障壁を張っている。

喜多がサーベルをかざし、呪文を唱える。
「…恐怖をもたらす汝、ゴルゴーよ、モルモーよ、千の貌持てる月霊よ、めでたく我らが生贄をば照覧あれ…」
呼応して、ウィザードたちが倒れている浮浪者たちにサーベルを次々と突き刺す。喜多はサーベルを首に向かってかざし…
「リリスよ、大いなるリリスよ、花婿を照覧あれ」
詠唱は感極まり、喜多が咆哮する。
浮浪者たちの夥しい血が池に流れ落ちる。不意に女の首が膨れ上がりパンと音を発て破裂すると、池を中心としたエリア(障壁内部)で竜巻が起こる。エリア内から阿鼻叫喚の悲鳴が聞こえ、血飛沫が飛び散るが、物凄い土煙のため詳しく見ることは出来ない。
やがて、エリア内の風が止むと、惨状を目の当たりにする。ぐしゃぐしゃの肉片や眼球、臓物が散乱している。この一部始終を見た者は正気度ロール(1/1D8)。

喜多だけはどういうわけか無傷(≪肉体の保護≫により)。
ここで喜多に見つかると、彼は≪忌まわしき狩人≫を呼び、探索者にけしかける。
狩人は喜多の持つサーベルによって制御されており、彼からサーベルを取り上げるか破壊すれば制御不能になった狩人が逆に喜多を襲い、彼を飲み込み次元の彼方に消える。持ち主を失ったサーベルは粉々に砕ける。

この惨劇を放置した場合(一般人で処理できるレベルではないが)、マスコミに報道され、『大量ミンチ殺人』と銘打たれて首なし殺人と一連のものとして扱われる。
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◎地下礼拝堂
大聖堂の地下には秘密の礼拝堂がある。
ホールに掲げられたジョン・ディーの肖像画が「門」になっており、これに触れると1MPと1正気度を失い、地下礼拝堂へと移動する。礼拝堂にも同様の装置(リリスが描かれた絵)があり、行き来が出来る。
なお、礼拝堂内部の照明は落とされており、真っ暗。

礼拝堂は大聖堂の近代設備とは裏腹な、中世ヨーロッパのサバトを思わせるいかにも儀式部屋といった作り。漆喰の壁に覆われ、床に魔法陣が描かれている。
魔法陣の中央に醜怪なオカルト装飾のされた銀の台座があり、乾いた血痕が付着している。
<クトゥルフ神話>で、この魔法陣が何かに魔力を付与するための儀式であることに気付く。

・リリス
ホールと行き来するための門である礼拝堂に掲げられてる絵は、蛇が体に絡まった美しい裸婦像。<オカルト>でこれがリリスを描いていることに気が付く。
リリスは、アダムの最初の妻で、アダムと同時に創られたことから彼に仕えるのを拒み楽園を離れ、鬼神の母となった鬼女。黒魔術において称えられる悪魔として知られる。

・ヨグ=ソトース
礼拝堂には膨大なオカルト書が保管されている。ここで見つかる情報は、2冊のファイル。

1冊は、ジョン・ディー博士のある儀式についての研究で、日本語に翻訳されたもの。
膨大な量で全て読むには相当な時間が掛かるが、<図書館>に成功すれば大まかな要点を掴むことは出来る。踏まえて、<クトゥルフ神話>で、この研究が特殊な方法によってヨグ=ソトースに通じる門を開くためのものであることに気付く。それには、マジック・アイテムとして、ヨグ=ソトース自身が選んだ「首」が必要。
さらに、<クトゥルフ神話>の半分(≪ヨグ=ソトースの招来≫を知っているなら通常)で、この方法が不完全なもので、儀式を行っても失敗することに気が付く。

ジョン・ディーの研究ファイル
研究日数:平均1週間、<オカルト>+3%、<クトゥルフ神話>+5%、SAN 1/1D4、呪文:≪門の発見≫≪首に魔力を付与する(通常の魔力の付与と同じ)≫

もう1冊は、津川町の巨石信仰について書かれている。これに目を通し、<クトゥルフ神話>に成功すれば、この信仰がヨグ=ソトースに対するものであることに気付く。
門裏池にあった巨石が儀式の中心になっていたと記されている。

・レッドフックの恐怖
地下礼拝堂の秘密を全て知り、<オカルト>に成功すると、1920年代、ニューヨークのレッドフック地区で起こった事件を思い出す。
ロバート・サイダムという資産家が永遠の命を手に入れるため、新興宗教団体に似せたカルト教団を組織し、人を生贄にする邪悪な儀式を行っていた。

※儀式の後
地下礼拝堂に進入したのが、喜多一輝が公園で儀式を行った以降であれば、銀の台座に大石恵の首が乗っている(SAN 0/1D3)。
また、ホールに戻った際、喜多が現れ、探索者を始末しようとする。
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