3.矢立邸

高輪台の矢立の屋敷は買い手のつかないまま現在も残っている。金持ちの邸宅が立ち並ぶ閑静な住宅街の一角、広い敷地の三階建ての洋館。鼠返しに先端がロールした鉄柵が敷地内を囲い、門扉に鎖と錠前がなされている。屋敷の一階の窓は侵入を警戒して全て板が打ち付けられ、玄関のドアには仰々しく硬い鉄の錠前がかけられている。

屋敷内は外観通りの西洋風で、玄関を入ると広いホールになっており、天井から大きなシャンデリアが吊るされ、白い階段が緩やかにカーブし二階に続く。

屋敷内の部屋は、備え付けの家具やベッドなどは残っているが、棚や引き出しの中は空でベッドにもシーツや寝具は無い。生活用品の類など何も無く閑散としている。

・悪寒
内部を探索し始めて間も無く、奇妙な感覚に捉われる。空気の流通とは違う、気味の悪い息の詰まりそうな感じ。背筋や手足の皮膚がざわめき、冷や汗が流れる。原因はわからない。

・絵
一階のある広い部屋に入ると、一際嫌な感じに苛まれる(SAN 1/1D3)。部屋に入っただけで全身が凍り付くように鳥肌が立つ。部屋は主人の寝室のようで、大きなベッドがある。
ベッドの下に一枚の絵が落ちている。
スケッチブックから剥がしたような紙に、女の顔が描かれている。コンテで描かれたラフスケッチだが、女の目元やミステリアスな微笑にほころびる口元にモデルの心持ちがよく表現されている。
絵の右下に「banko.T」というサインがある。<芸術(絵画)>でこのサインが新進気鋭の画家、「田代蛮行(たしろばんこう)」のものであることに気が付く。
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by nurunuruhotep | 2008-11-03 17:38 | パンの大神 | Comments(0)