4.柊実について

柊実は存命なら46歳。幼い時に両親を無くし親戚もおらず天涯孤独の身。未婚。5年前まで、大学(任意)で教授として教鞭を振るっていた。専攻は植物学。
5年前に突如として行方をくらませ、大学側から警察に行方不明の届けが出ている。

◎大学での情報

・ヒマラヤでの遭難
柊の所属していた研究室の者から、次の情報を得ることが出来る。

7年前、柊は植生の研究のため研究室のメンバー5名とチベットに赴き、ヒマラヤ登山を試みた。登山の途中、柊一人がはぐれてしまった。4日に渡って遭難救助活動を行ったが、見つからず、天候の悪化から生存は絶望視された。しかし、遭難から5日後、柊が一人で下山してきた。軽い凍傷はあったものの、他に外傷と呼べるものは無く非常に元気な様子だった。
遭難中のことを柊に尋ねると、彼は、雪山に住む者たちに助けられ、その者たちの集落で天候が良くなるまで休ませてもらっていたと答えた。しかし、柊の遭難した地点が人が住めるような場所でないことから、彼の話を信じる者は無かった。

柊はチベットから帰国後、本業である植物の研究をそっちのけで、ヒマラヤで出会った者たちと交信するための研究に没頭した。柊を助けた者たちは、(彼の話では)外界とは無縁に暮らすものたちで、独自の文化を持っているため接触しコミュニケーションを取る為には念入りな研究が必要とのこと。
研究室の者たちは柊が遭難のショックで頭が少し変になったと思い、以前より距離を置いて接するようになった。彼がしていた研究というのも、まるで幼児の遊戯のような非科学的でなんだかよくわからないものだった。

研究室の者は上記のことと柊の失踪の関連はわからないという。また、研究室に柊が残した書類等からおかしな点は見つからない。

・雪男
大学側は柊の家にあったものを全て預かっている。この中に、ヒマラヤの雪男についての資料がある。
イエティと呼ばれる未確認生物だが、ヒグマが正体である説が濃厚。1959年日本の登山隊に地元住民が雪男の毛皮だとしてヒグマの毛皮を差し出した。多くの登山家達が資金繰りに苦慮し、地元で雪男と呼ばれていたヒグマを未確認生物に仕立て上げ、資金源にしていたという疑惑がある。
資料にもヒグマの毛皮のエピソードは記されており、その個所に下線が引かれ「被っていた?」と注釈のようなメモ書きがある。

・柊の家
大学で柊が住んでいた場所を知ることが出来る。
都心からかなり離れた山間部に大学の気象観測用の建物があった。柊はそこを間借して暮らしていた。しかし、その辺りは都市開発地域に指定され、大学側が行政に土地を譲渡した。現在、大規模な工事がなされ、柊の住んでいた場所は取り壊されている(その為、柊の家財は大学が預かっている)。
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by nurunuruhotep | 2008-10-24 12:22 | COFFEE MILL | Comments(0)