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09十字組

探索者の活動する街に本部を置く指定暴力団。歴史の古い組で、街の全域をシマにしている。組長は十字猛造。

a.聞き込み
警察関係者や風俗店等、この街のアンダーグラウンドに詳しい者が知る情報。

・折半
十字組は長年この街の裏側を牛耳ってきたが、この数年の間に状況が変わった。四年前より最大の資金源である繁華街のシマの半分を大陸系マフィア「金月会(きんげっかい)」に明け渡した。それまでは近年この地方に進出してきた金月会とは街の利権を巡り抗争状態にあった。現在、繁華街では大陸ルートの安価で粗悪な違法薬物の横行やアジア系外国人の売春行為等が目立ちつつあるが、これは金月会が手引きしているからである。

・密約
さらに警察の暴力団係や事件記者等の情報通ならシマを折半した理由を知っている。
金月会と手を結んだのは組長の十字猛造の指示。金月会と抗争が激化していた当時、猛造に癌が発覚したという情報がある。後継者を決める頃合のところを一人息子(十字組は代々世襲である)顕が四年前当時16歳とまだ若く、また物静かな性格であることから時期尚早との判断から手打ちに至ったと推察される。

なお、十字猛造や十字顕に関しては別項目も参照。

b.図書館
風土史等の伝承に十字組の成り立ちを見ることが出来る。彗霊神社に関して調べた際に関連付けてわかる。

・歴史
十字組は元は土着の豪族が起源である。ここ一帯を支配した神(彗霊神社が祭る)に仕えた一族の末裔で、奉仕の恩恵として剛力無双の強靭な肉体を神から授かった。不老長寿とも伝わる。一族はその血を大事にし狭い範囲での婚姻で後世に残そうとした。しかし、近親婚を繰り返す弊害が年月と共に一族の者に顕著に現れるようになった。奇形児の出生や精神錯乱。異形と化した一族の者が夜な夜な領民の血を啜ったなどという怪談話も残っている。そのような話が出るほど悪政を強いていたことは事実で、一族は領民のクーデターに合い、領主の座を追いやられた。一転して差別や偏見の的に晒され社会の裏側に爪弾きになった一族は、やがて極道へと身を落とした。

c.金庫
事務所の組長室の金庫に十字一族の秘密が記された古文書と、ある人物の調査資料が保管されている。現在、組長の十字猛造は不在であり、また手練の側近は全員猛造に付いている。事務所は普段より手薄な状態ではある。

・食人鬼
古文書を読むには専門の技能が無い場合、<日本語>の三分の一(四捨五入)に成功する必要がある。

古文書には一族に伝わるおぞましい継承の儀式が記されている。当主が代わる際、次の当主は現在の当主を食らうことによりその力を受け継ぐ。魂が一体となり、食われた者は新たな体の中で生きるとされる。また、リーダーとしてより強い力を得る為、一族の者や領民を(一族の者は自ら、領民は生贄として)食したことが書かれている。こうした魂も当主の中で生き続け、次代へと永遠に引き継がれるという。
儀式の具体的方法に関しては、所々が破けていたり文字が消えてしまったりしている為、わからない。

この書物を読んだ者は、<オカルト>に+2、正気度喪失0/1。

・探索者
調査資料は二人の男女について書かれている。

男は「川渡慎(かわたび・まこと)」、32歳のフリージャーナリスト。全国を渡り歩き、事件…とりわけ猟奇じみた、或いはオカルト的な案件を中心に取材活動をしている。寄稿している雑誌もそういったアングラ系が主体。
何かの紙面に掲載されたような解像度の低い顔写真が添付されており、頬のこけた堀の深い顔立ちの男が写っている。

女は「三橋由梨(みはし・ゆり)」、28歳の作家。作家といっても知名度は無いに等しく、川渡と同じマイナー誌にオカルト短編小説が稀に掲載される程度。ペンネームは「弓影ミカ」とある。
写真が添付されており、雑踏の中の女にピントが合わされている。女はホテルの幽霊(夜会の貴婦人のヴィジョンの女)と非常に良く似ている。

※川渡と三橋は探索者である。二人はニャルラトテップを崇める暗黒教団‘星の智慧派’の日本での活動の情報を掴み、この街を探索していた。三橋は一年前に殺され(プレアデス宿泊客の御影弓子。忌まわしき狩人に丸呑みされた)、街に潜伏していた川渡は先日捕まり、十字猛造の下で監禁されている。
雑誌社は二人が探索者として活動していたことは知らないが、二人と1年前から連絡が付かないこと、川渡が取材などの際に「星巳(ほしみ)」という偽名を用いていたこと、一ヶ月前に川渡について根掘り葉掘り聞いてくる電話があったこと(相手はインターネットのニュースサイトを名乗ったが声にいかつい印象を受けた)、を聞くことが出来る。
by nurunuruhotep | 2012-03-12 15:30 | マスカレイド | Comments(0)