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17.遺志を継ぐ者①

◎駿河春一
駿河春一ことミハエル・イブン・ラーハンは現在、ランゲージスクール・スルガの仲間たちと共に開発地にあるマンションの一室を借り、6年前果たせなかった目的の準備をしている。その目的とは駿河黄道の遺志に他ならず、魔術師の宿願、生命の源ウボ=サスラに至ることである。下準備は着々と進行し、今まさに実行に移る段階にある。

・外国人支援団体
ミハエルたちは表向きには日本に働きに来ている外国人の支援を目的とした非営利団体を装っている。マンションの一室には「グローバル・ネットワーク」と表札が掲げられ、電話での応対やホームページなどからは、外国人労働者の悩みを聞いたり集まってレクリエーション活動をしている変哲無い外国人のコミュニティに映る。
メンバーは総勢28名で、15名が元ランゲージスクール・スルガの生徒やスタッフである。また、そうでない面々も駿河黄道に支援を受けていた等、何かしらの関わりを持っていた者達である。

表立って探索者が訪問した場合は、ミハエルたちは慈善団体として振る舞う。
駿河黄道に関して質問すると、貧しい場所で育った自分たちを日本留学に導いてくれた恩人として尊敬している、といった風に答える。オカルト儀式については誤解であり、単に悩みを打ち明けたり交友を深める為の例会であった。売春紛いの行為をしていたのはごく一部の者たちで、生活苦や不慣れな土地で暮らす不安が招いた残念な行いであった。6年前の駿河黄道の死は彼らにとってショッキングな出来事であったが、事件の背景に何があったかは全く知らないという。
アウグスティナ・ニー・リーリャンに関しては日本語学校時代からの大切な仲間であり事故は大変痛ましく思っている。彼女が不法滞在していたこと、売春をしていたことは知っていたし、コミュニティには似たような境遇の者も居るが、生活を考えると責めることは出来ないという。アウグスティナはここに居る時は明るく、活動にも積極的なスタッフであった。

彼らは自分たちの真の目的や不利益を被ることは絶対に答えないし、駿河黄道や仲間の潔白のみを訴える。団体の活動や駿河黄道を非難するような態度を見せれば応対を拒絶する。また、探索者が自分達と敵対すると判断すれば、実力行使に出ることもある。
by nurunuruhotep | 2010-09-10 17:50 | Descent with modific | Comments(0)