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11.大椀村

◎大椀村
福井県南石市南石町大椀。2年前に市町村合併し、地区のみの存在となっている。元々過疎が深刻な場所で、この地区の現在の人口は僅か36人、13世帯のみである。平均年齢72歳と非常に高く、60歳以下は誰一人として住んでいない。田園風景が広がるが田畑の多くが手入れ無く荒れていて、日中に人影を見ることは無い。荒廃の雰囲気が漂い、典型的な過疎の農村といった印象。

元々閉鎖的な村であった為、住民は寡黙な者が多く(高齢であることも拍車をかけている)彼らからの情報収集は困難なものとなる。住民のこうした気質は村の起源に由来している。

・起源
大椀村は太古に古のもののコロニーがあった場所である。星から飛来したクトゥルフとその眷属との戦いに敗れ、安住の地を追われたかつての地球の支配者が隠れ潜んだ場所の1つである。村の地底深くに活動を停止したショゴスが眠っており、追っ手に怯える主人たちの記憶を留めた巨塊は土地に住む者の潜在意識に影響を与えている。それは外界を嫌う住民の気質として表れており、その負の感情は「オソレ」という名で呼ばれる。当地にはオソレを取り除くための「ハライ」という儀式が存在する。

⇒オソレとハライ
風土史にその記述がある。

オソレは悪いもの=災いであり、大椀に住む者はオソレを畏怖の対象として昔から忌避してきた。定期的にオソレは村にやってきて住民に災難を与える。オソレを祓うためのハライと呼ばれる儀式があり、夏至と冬至の前日の年中行事として現在も降城(ふるぎ)神社で行われている。オソレは概念的なものと考えられるが、ハライの行事では大きな黒い翼のみの存在として表されている。降城神社の行事は、舞台で宮司や巫女が独特な歩行により黒い翼を模したオソレから逃れる寸劇が神事として執り行われる。神事が行われた日は住民は神社や集会所など多くが一所に集まり、夜が明けるまで外に出ずに徹夜で朝を迎える。庚申の儀式に似ており、その派生と考えられる(と書物は締めくくる)。

・情報収集
大椀の住民から情報を聞き出すのは非常に難しい。彼らは自分達や村のことを自ら語ろうとはしないし、そもそもよそ者である探索者と関わろうとしない。それでも<説得>など交渉スキルを駆使すれば重い口を開くかもしれない。

以下、大椀住民が知る情報。

①オソレ
オソレは陰鬱とした負の感情で、定期的に心の奥底から湧き上がってくる。オソレが表面化すると何をするにも恐怖を感じてしまい、オソレが過ぎ去るまでじっとするしかなくなる。特に外に出ることを嫌い、空から(それこそハライの儀式の翼を持つ存在=オソレのような)黒い何か悪いものが襲い掛かってくるような感じがするという。
だいたい夏至と冬至あたりに多く兆候を感じ、その時期にハライの儀式をすることによって奇妙な感情を抑えられる。ハライは住民にとって生活する上で重要な行事なのである。

②巫女の消失
降城神社の巫女であった絵理が村を去ったことに関して、住民は怒りを覚えている。絵理はオソレを抑える為のハライを行う巫女であるばかりか、神職を継ぎハライを後世に伝える存在であり、それは大椀の存続を意味していた。絵理が村を出た時、住民は彼女の両親を激しく非難した。また、時が過ぎた今尚、絵理に対する憤慨は住民の間から消えていない。
by nurunuruhotep | 2010-09-10 17:19 | Descent with modific | Comments(0)