1.イントロダクション

弁護士から依頼がある。この弁護士は探索者の知人で、探索者の神話的な探索活動についてある程度知っている(過去、探索に協力したことがある)。

3月10日午前0時20分頃、地震があった。震源は同県山岳部。震源を中心に概ね震度3強の比較的強い揺れを観測し、探索者の街も震度3を記録した。
ちょうど同じ時刻、探索者が暮らす街で交通事故が起きた。深夜の繁華街で停車中のワゴン車にトラックが衝突、ワゴン車に乗っていた4人が死亡した。トラック運転手は軽症で済んだが、過失致死の疑いで現在警察に留置中。当初は地震の影響によるものと警察も見ていたが、事故当時の運転手の挙動が不審な点から逮捕に至った。

その逮捕されたトラック運転手の弁護を担当しているのが探索者の知人である。

・運転手の証言
事故当時、運転手…「佐久間章一(さくま・しょういち)…36歳」は錯乱状態であった。駆けつけた警察官にわけのわからないことを口走り、まるで酔っているように暴れたが、アルコールや薬物は検出されなかった。現在も精神的にかなり不安定で、警察の聴取や弁護士との謁見の際に意味不明な発言をしている。
その謁見の際、弁護士が彼から聞いたのが、「4本腕の怪物」。10tトラックの車両の窓ほどの高さの巨体が目の前の路上に突然現れ、それに驚きハンドル操作を誤ったという。この証言を警察は罪を回避するためのでたらめと捉えている。事故当時、深夜で目撃者はおらず、現場からそういった「怪物」がいた物証(車体の傷や路面状況など)は何も出なかった。

・謎の死体
死亡したのは、「垣内敦也(かきうち・あつや)…18歳」、「佐々木康二(ささき・やすじ)…18歳」、「渡辺勇(わたなべ・いさむ)…17歳」の少年と身元不明の女性。少年らは同じ高校であり、垣内と佐々木は一週間後に卒業式を控えていた。また、垣内は県議会議員「垣内竜太郎(かきうち・りゅうたろう)」の長男である。
これらは新聞やTVニュースなどでも報道されたが、同乗していた女性の身元は警察で調査中とだけ報じられた。
弁護士は、被害者を担当した監察医からその身元不明者について奇妙な話を聞いている。
監察医は以前に少女と同じ死体を司法解剖しているという。2月26日のことで、対象はその3日前(23日)に河川敷で発見された女性の死体。腐乱がひどく身元は現在も特定されていないが、その女性のDNAと今回の少女のDNAが完全に一致した。

弁護士はこれら2点から、この事故(事件?)が「探索」の様相を呈していると直感し、探索者に助力を求めた。
[PR]
by nurunuruhotep | 2009-08-21 21:51 | 月狂 | Comments(0)